アマゾンジャパンは10月24日、電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」の国内予約販売を開始した。あわせて、タブレット端末「Kindle Fire HD」の国内予約販売と、日本向けの電子書籍販売サービス「Kindle ストア」の開設も発表している。予約販売はAmazon.co.jpで受け付けている。
電子書籍リーダーのKindle Paperwhiteは、従来モデルと比較して画素数が62%増、コントラストが25%鮮明なディスプレイを搭載。さまざまな明るさの環境でも快適に読書ができるように、内蔵型フロントライトも搭載した。バッテリ持続時間は8週間としている。価格は8480円。重さは213g。薄さは9.1mm。Amazon.co.jpのほか、ケーズデンキを運営するケーズホールディングス、ビックカメラ、上新電機、キタムラの各店舗、TSUTAYAの一部店舗で購入できる。
また、無料で3G回線に接続できるモデル「Kindle Paperwhite Wi-Fi+3G」も発売する。価格は1万2980円、3G回線のための通信料金は不要だ。いずれのモデルも11月19日に出荷する。
Amazon.com Kindleデバイス事業部のバイスプレジデント、デーブ・リンプ氏は、Amazonの電子書籍への取り組みについて「時間はかかるかもしれないが、あらゆる書籍をデジタル化する」と話す。
日本語版を出すに当たり、特にフォントに気を配ったという。アマゾンジャパンのKindleデバイス&アクセサリー事業部の小河内亮事業部長は「フォントについて、専門のチームを組織して品質を上げた。結果として漢字もくっきり表示できている」と自信を見せた。Amazonのタイポグラフィチームは、縦書きでも文字の重心のバランスを確保できるよう、各文字の濃さや輪郭形状をピクセル単位で調整し、Paperwhiteのディスプレイに最適なサイズで文字を表示できるようにしたという。
電子書籍のページめくりの際に、画面が黒く光り、読みにくくなるフラッシュ現象の軽減にも気を配った。「 waveformと呼ぶアルゴリズムを採用することで、フラッシュが起きる頻度を6ページに1回に抑えた」(リンプ氏)。
「重さにも気を配った」とリンプ氏。213グラムに抑えるためには、軽量な素材を用い、小さなバッテリーを採用する必要があったものの、バッテリーの寿命は8週間と「超長寿命」を実現している。
クラウド上に電子書籍を保存できるのも特徴だ。Kindleのコンテンツは自動でクラウドにバックアップされるため、Amazonは「本をなくしてしまう心配がない」としている。ワイヤレス接続により、電子書籍をいつでも無料で再ダウンロードできるという。
また、互換性の確保にも注力した。Kindleで購入したコンテンツは、無料のアプリを使うことで10月25日からiPhone、iPad、iPod Touch、Android端末でも閲覧できるようになる。
Paperwhiteが内蔵型のフロントライトを採用したのは、目を守りたいユーザーにとってはメリットだという。バックライトを使用した液晶ディスプレイを利用すると直接目に光が当たってしまう。特許を取得したというフロントライトディスプレイにより「光の進む方向をミクロの光学回折格子でコントロールすることで、直接目に光が当たるのを防ぐ」(アマゾンジャパン)としている。
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