カシオ計算機は10月23日、デジタルカメラ「EXILIM(エクシリム)」シリーズの最上位モデル「ZR1000」を発表した。11月9日より順次発売する。市場想定価格は5万円前後。
有効画素数は1610万で、1/2.3型高速CMOS(裏面照射型)を搭載する。ズームは12.5倍、24mm広角、手ぶれ補正レンズを備えるなど基本性能は6月に発売した「EX-ZR300」をベースにしたもの。新たにチルト構造で上へ最大180度動かせる液晶を搭載し、自分撮りできるなど撮影の幅を広げた。カメラに向かって手をかざすだけでシャッターを切ったり、再生したりできる機能も搭載する。さらに、ステップズームやホワイトバランスなどをレンズ周辺のリングを回してコントロールできる「コントロールダイヤル」や、ダイヤル操作でメニューを選べる新たなグラフィカルインターフェースを備える。
カシオでは、ZR1000を第3世代のEXILIMだと位置付ける。2008年に搭載した高速連写「HIGH SPEED SYSTEM」と2010年に搭載した高速連写合成ができる「HSテクノロジ」に続くもので、「EXILIM Engine HS3」により、独自のハイスピード技術を駆使し、0.99秒の高速起動や0.15秒の高速オートフォーカス、最短0.26秒の撮影間隔を実現。高速連写中でもカメラがピントを合わせ続けるAF連写撮影(最大6fps)を搭載した。さらに、高速連写を使って背景のピントも思い通りに設定できる「全焦点マクロ」「背景ぼかし」機能を搭載。あえて近いものと遠くのものの両方にピントを合わせたいときや、背景をぼかしたいときでも思い通りの写真が撮れるとしている。
価格から見ると高級コンパクトカメラのカテゴリに位置付けがちだが、同社が目指すのはあくまで「普通のコンパクトカメラの上位モデル」だ。一眼レフは難しそうだが、もっとキレイな写真を撮りたい。ミラーレスカメラはまだ大きい。買っても、結局レンズ交換はしないまま──そんなユーザーをターゲットに、タイムラグ、ピンボケ、手ぶれをゼロにする“トリプルゼロ”を目指して設計したという。
カシオ計算機 執行役員 QV事業部長の中山仁氏は、コンパクトデジタルカメラ市場は4年前をピークに停滞しており、「コンパクトカメラのコモディティ化とスマホの台頭もあって厳しい」と説明する。一方で、ミラーレスなどレンズ交換式は伸びていることから、「レンズ交換式はやらないのか。コンパクトだけで大丈夫かという質問をよく受けるが、レンズ交換式をやる計画は全くない。本当にミラーレスがデジタルカメラの方向として正しいのか。正直疑問に思っている。レンズ交換をする手間もなく、“簡単にキレイ”が理想のデジタルカメラだと確信している」とし、手軽に美しく撮れるコンパクトデジタルカメラを追求していくとした。
カラーは3色で、ブラックは11月9日、ホワイトとレッドは11月22日に発売予定だ。また、EXILIMの誕生10年を記念し、5000台限定のアニバーサリーモデル「EX-ZR1000BSA」を発売する。ブラックボディとロゴ周りにシルバーを配色したもので、本革のジャケットケースを同梱する。市場想定価格は5万円と通常モデルと同じだが、発売が12月上旬となる。
このほかに、ゴルフモデルとしてゴルフ専用のベストショット機能や再生時のライン表示、動画の2画面同時再生に対応した「EX-FC300S」を11月22日に発売する。同様に5万円前後となるとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」