先週はAppleの新会計年度の始まりだった。Steve Jobs氏のいないAppleの最初の1年の締めくくりでもあった。1年前の2011年10月5日、テクノロジ分野の象徴だったJobs氏が他界した。
まわりから見ている人々が細部にわたって大きく注目しているときに(これはJobs氏の存命中から間違いなく変わっていないが)、Appleの栄光と挫折を簡単に振り返るのには、今が一番いいときだろう。
Appleの年に一度の「iPhone」アップデートについて、一部で期待外れだという声もあったが、この新型デバイスは記録的な好スタートを切った。発売開始となった週末、Appleは同社ストアと通信キャリアパートナーをとおして、500万台以上のiPhoneを販売した。Appleはその前に、先行予約販売を開始した最初の24時間で200万台以上を販売している。これは、2011年モデルの先行予約台数の2倍である。
Appleは10月25日の第4四半期決算発表で、最初の8日間と第4四半期(9月29日締め)のほかの期間におけるiPhoneの販売台数を公表する予定だ。
Appleは4月、サムスンが同社のスマートフォンおよびタブレットでAppleの製品デザインを盗用し、複数の特許を侵害しているとして、サムスンを訴えた。サムスンは反訴し、両社は米国をはじめ世界中の法廷で真っ向から対決した。
9月に始まった米国での大きな裁判は、Appleのほぼ完全な勝利で幕を閉じた。陪審団は、サムスンがAppleに10億5000万ドルの損害賠償金を支払うよう評決を下した。サムスンは、同社の一部製品の販売が差し止められる可能性にも直面しており、それに関する評決は2012年中に下される見通しだ。
両社は多くの新製品および特許に関する主張をめぐって、2014年に再び米国の法廷で顔を合わせる予定だ。しかし、現在のところは、Appleが圧倒的な勝利を収めている。
Appleの本会計年度は、これまでのところ絶好調である。第3四半期終了時までの純利益は334億6000万ドルで、その大半は同社が3700万台以上のiPhoneを販売した第1四半期にもたらされた。
本会計年度をとおして、Appleの株価は急上昇した。同会計年度開始時は400ドル弱だったのが、終了時には約667ドルまで上昇し、その途中では一時700ドルを突破した。Goldman SachsやSterne Agee、Bernstein Researchといったウォール街の企業は、Appleの株価は今後も上昇を続け、今後12カ月間で800ドルに到達すると予測している。
Appleは何年も前から、アナリストとの電話会議の中で、同社は保有する莫大な現金を使って何をする計画なのか、という質問を必ず受けてきた。Appleの保有する現金とそのほかの有価証券の額が1000億ドルを超えたとき、それは極めて理にかなった質問になった。Appleがその金銭を使って購入できるもののリスト(国家を含む)が頻繁に作成されるようになった。
その莫大な金銭を利用する計画について尋ねられたCook氏は、Appleはそれを研究開発や小売店、サプライチェーン、Appleのインフラストラクチャを構成するそのほかの要素に投資している、と答えた。しかし、同社が資金を使っても、保有する金額はそれを上回る速度で増大している。
Appleは3月、方針を改めた。同社は終了したばかりの第4四半期から、四半期配当として1株当たり2.65ドルを支払う計画を発表した。さらに、今後3年間にわたって、株式買い戻しに100億ドルを費やす計画も明かした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス