10月1日~10月7日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
Appleの創業者で前CEOだったSteve Jobs氏が亡くなってから1年が過ぎた。米国内でもJobs氏を偲ぶ声や報道が相次ぎ、またCNET Japanでも特集が組まれている。1年の月日の流れの速さにも驚かされるが、それ以上にAppleのこの1年の成長ぶりにも驚かされる。
iPhone 5発表の熱が冷めないうちに、Appleが用意する次のプロダクトについて盛り上がりを見せている。米国は11月下旬からホリデーシーズンに入り、1年間で最も消費者の行動が活発になるタイミング。ここにさらにプロダクトを投入して、2012年を締めくくろうという計画になるのだろうか。
一時はiPhone 5と一緒に発表されるとの予測もあった7.85インチのディスプレイを搭載した小型iPadだが、複数のメディアで、10月10日に報道関係者への招待状が送られ、10月17日に発表イベント、11月頭に発売──というスケジュールが伝えられるようになった。そして、おなじみと言うべきか、パーツの流出写真が相次いで流れ始めている。
ちなみに、近年Apple製品に関するリーク画像をキャッチするスピードでは、実は日本が先行している。英文の記事で「MAC OTAKARA」との表記をよく見かけるようになったが、老舗Apple系ウェブサイト「MACお宝鑑定団」のブログが情報ソースとして信頼を集めている。
iPad miniについての考察に戻る。AppleがiPad miniを登場させる際に、注目しておくべきポイントは3つだ。
1つ目は、サイズと重さ。サイズは7.85インチと小型化されるとかねてより言われているが、これによってどのくらい軽量化されるのか、という点に注目すべきだろう。現状iPad 2のWi-Fiモデルで601g。ライバルとなるKindle Fireは400g、Nexus 7に至っては340gだ。小型化と同時に、少なくとも400g以下の重量にとどめられるかどうかは1つの競争力の判断材料になるだろう。
iPadは教育分野やより身近なコンピュータデバイスとして注目されているが、特にこども向けや、サブ端末としてタブレットを持つ場合、現在のiPadでは大きすぎ、また重たすぎる。こどもにとっては長時間の使用が疲れてしまうし、大人もパソコンを持っていて、現在のiPadをもう1枚カバンに入れよう、とは思わないだろう。小型化され、軽量化されるiPadは、タブレットをより身近にするはずだ。
2つ目はプロセッサとバッテリ。現在iPhone 5には最新のA6チップが、新しいiPadにはグラフィックスを強化したA5Xチップが、そして最新のiPod touch、併売中のiPad 2には32nmプロセスになった刷新版のA5チップが利用されている。画面サイズが小さくなりRetinaではないディスプレイを搭載するなら、刷新版のA5チップで十分なはずであり、新型のiPod touchやiPad 2のために、わざわざA5チップをリデザインしないだろう、という読みとも符合する。
画面の縮小で搭載できるバッテリサイズは小さくなるが、ライバルや他のiPadと同じように、少なくとも10時間以上のビデオ再生やブラウジングを確保しておく必要があるだろう。
3つ目は価格。現在の新しいiPadは499ドルから、iPad 2は399ドルからとなっている。また、競合となるタブレットを見ると、Kindle Fireは159ドル、Nexus 7は199ドルで、後者は年末までにさらに値下げすると見られている。だったらNexus 7とぶつけて199ドルにすればよいのだろうか?
Appleの現状のiOSデバイスラインアップでは、iPod touchが32Gバイトの容量で299ドルとなっている。iPod touchから16Gバイトモデルはなくなったが、Appleのフラッシュメモリの容量による値段の付け方の法則からすれば、もし16Gバイトモデルがあった場合、199ドルというプライスタグが付けられるだろう。
これと、16GバイトのiPad miniを同じ価格にするか?と言われると、iPad miniは16Gバイトで249ドルあたりが妥当な線になるのではないか。では、Androidタブレットよりも100ドル~50ドル高いiPad miniは売れるのか?1人1台のタブレット時代を、ライバルたちと切り開くという点では、iPad miniが品薄の状態を作り出すことは、容易に想像できるだろう。9.7インチのiPadはそうでもなかったかもしれない。しかしiPad miniでは日本市場も例外ではなさそうだ。
アップル、「iPad mini」発表イベント招待状を来週送付か--Fortune報道(10月2日)Jobs氏の追悼に関連し、様々な記事が世界中で登場している。筆者も寄稿させて頂いたが、まさにJobs氏と一緒に仕事をしていた山元賢治氏の記事は、とても印象的なエピソードが描かれていた。
Jobs氏のインパクトは、米国の産業にも拡がっている。iPhoneやApple、これにStarbucksなどを加えた、世界中を席巻するブランドは、「新しい、世界の中でのアメリカ」を牽引するものだ。先進さや豊かさだけでなく、よりカジュアルで身近な製品やサービスを、世界の若い人がどこでも体験できること。
ここ数年で変化が見られるようになったのは、自動車だ。例えば米国General Motorsのシボレー・ソニックやクルーズは、まさに新しい米国のブランドイメージをよく学んで作られた車であり、眺めてみても、乗ってみても、これまでの「アメ車」とは違っていた。こうした学びはさらに拡がっていくだろうし、これまでとは違う、新しいアメリカのイメージ、クールさを作って行くのではないだろうか。
特集 : スティーブ・ジョブズiPad miniに移ろうとも、iPhone 5、iOS 6に関する話題はまだまだ冷めない。特に地図は、今週からその内容の改善が始まったことがユーザーの報告から明らかになってきた。米国メディアではNew Yorkでの地図の修正が報告されているが、日本では東京や大阪などで立体的な地図が閲覧できるようになってきた、という話題が出てきている。
まさに「一生懸命直している」という状態だが、Google Mapsも、だんだん良くなっていった経験があったので、これから数年間、自分の身の回りの地図がクリアになっていく経験をしていくことになるだろう。
先週チャイナリスクについてご紹介したが、iPhone組み立てを行うFoxconnの工場で、再びストライキと見られるトラブルが報じられている。Foxconnによると、これによってiPhoneの出荷には影響しないとしているが、立て続けに報じられるトラブルは、今後の生産に不安を落とすことになる。
分解、「iPhone 5」--薄型軽量化されたアップル新端末の内部(10月1日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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