オモロキが運営するお笑いをテーマにしたコミュニケーションサービス「ボケて」。そのiPhoneアプリが公開された。10月10日よりApp Storeにて無料でダウンロードできる。アプリのプロデュースやマーケティングをハロが、アプリの開発をブレイブソフトがそれぞれ担当した。
ボケては、お題となる画像をアップロードしたり、その画像に対して「ひと言ボケ」を投稿できるサービス。投稿されたボケに対して、コメントをつけたり3段階の評価をしたりすることもできる。投稿はタグ単位で見たり、新着や人気ランキング形式で閲覧可能。評価の高かったボケは、「殿堂入りボケ」として一覧で見ることができる。これまでのボケ投稿数は約270万件、お題投稿数は約12万件に上る。
iPhoneアプリでは、投稿されたボケを閲覧するほか、ボケへのコメントや評価ができる。また、TwitterやFacebookへのシェアにも対応する。
5年前から運営されているサービスだが、最近ではFacebookやTwitter、NAVERまとめなどで、ボケてのコンテンツが注目を集めている。NAVERまとめにまとめられた「殿堂入りボケ傑作選」などは、600万ページビューを突破するに至っている。同社が運営するFacebookページでも殿堂ボケを1日1回投稿しているが、毎回数百件~1000件以上の「いいね!」がついている。
「ソーシャルメディアがボケての環境を大きく変えた」――オモロキ代表取締役の鎌田武俊氏はこう語る。同社がサービスを提供し始めた頃、コンテンツをユーザー間でシェアできる方法といえば、「はてなブックマーク」などのソーシャルブックマークくらいだった。それが今ではFacebookやTwitterで「面白かったらシェア」といった形で広がっていくようになった。
アクセスが増えるにつれてサーバの負荷が高くなったため、7月にはサーバ環境を刷新し、「デルタ版」としてサービスをリニューアルした。ソーシャルメディアへの投稿ボタンなどをつけたのもそのタイミングだった。「サービスを始めた当初はソーシャルで拡散させるという発想がなかった。だが今となればどこまで拡散できるのか試してみたいと思っている。Twitterボタンなどは結構押されている」(オモロキ取締役兼最高技術責任者の和田裕介氏)。
これまで数百万前半で推移していた月間ページビューは、現在では1500万まで伸びた。「ソーシャルメディアでの親和性には最初驚いた。ボケては漫才で言えば『ボケ』と『ツッコミ』のボケ。ボケにはツッコミがないとその面白さは伝えきれない。ソーシャルメディアで突っ込まれ、まとめられることでこそ読み手が笑い、さらにソーシャルで拡散されている」(鎌田氏)。
ソーシャルメディアでの拡散については、どういう形であれ、「どんどんやってほしい」と語る鎌田氏。ただ一部では、ボケての投稿内容をあたかも自分が作ったかのようにソーシャルメディアで投稿する「パクリ騒動」も起きた。複雑な思いだったという鎌田氏と和田氏だったが、「ボケての知名度をもっと上げれば、ユーザーのボケも守れると考えている」(鎌田氏)と語る。
投稿される画像の著作権なども問題になる場合があるが、違法なコンテンツの投稿については目視で確認するほか、通報ボタンを用意することで対策しているという。「規約もかなり厳しくしており、きっちりと対応していく」(鎌田氏)
オモロキでは、アプリの提供に合わせてマネタイズにも力を入れる。広告ビジネスを強化し、企業とのタイアップ広告なども展開していく。またアプリに関しては、今後投稿や検索といった機能を追加するほか、Android版の提供も予定する。
将来的には海外向けのサービス提供も計画している。「日本とは違う文化を持つ国々にも、ボケての仕組みを持っていきたい。そこでのユーザーの反応も楽しみだ」(鎌田氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス