「Smart TV Box」から最新セキュリティまで--CEATEC 2012で見たKDDI - (page 2)

エースラッシュ2012年10月04日 13時15分

手軽かつセキュアな掌紋認証

 KDDIのブースでは、個人情報保護の観点から掌紋認証ソリューションも展示されていた。現在最も多く使われている個人認証方法はパスワードだが、このパスワードの欠点は、悪意ある第三者に流出した場合、本人か第三者かを特定する術がないこと。そこで“なりすまし”防止に効果を発揮するのが、本人の生体情報を使う生体認証だ。

 生体認証に用いられるのは指紋、顔、虹彩、静脈などが挙げられる。しかし、これらをスマートフォンで使うとなると、虹彩や静脈はどうしても外付けの読み取りデバイスが必要。指紋は「ARROWS Z ISW13F」のようにセンサを内蔵するか、やはり外付けの読み取りデバイスが必要になるため汎用性に欠ける。顔認証に関しては内蔵カメラさえあれば使えるが、こちらは認証精度に若干の不安が残る。

  • KDDIの掌紋認証ソリューションのデモ

 こうした背景から生まれたのが、KDDIの掌紋認証ソリューションだ。これは、スマートフォンのカメラを手のひらにかざすだけで、掌紋を使った簡単かつ高精度な認証ができるというもの。別途デバイスを用意することなく、スマートフォンの基本機能のみで利用できるのもポイントといえる。

 具体的な認証の仕組みとしては、まず人差し指と中指の付け根、薬指と小指の付け根といった2つのキーポイントを結び、その中点から垂線を引く。そして中点から、キーポイント間と一定比率の距離にある垂線上の点を重心として、ある長さを一辺とする正方形領域を描く。その領域内にある、手相と掌紋を照合する仕組みだ。

「SMART SONIC RECEIVER」を用いた補聴機能がさらに進化

  • 京セラ製の「簡単ケータイ K012」をベースに、補聴機能を強化した試作モデル。ブースでは実際に体感することができる

 高齢者や難聴の方にも聞きやすい「補聴機能強化ケータイ」の体験展示も行われていた。これは、京セラ製スマートフォン「URBANO PROGRESSO」やケータイ端末「簡単ケータイ K012」に搭載されている「SMART SONIC RECEIVER」を、より補聴しやすいよう機能強化したもの。受話音量を大きくしただけでなく、高齢者や難聴の人は高い周波数の音が聞こえづらくなることから、イコライザで高音域を増幅するといったバランス調整がされている。

 さらに、小さい音が聞こえづらい反面、大きい音がうるさく感じるため、聞こえる幅を広げるためのダイナミックレンジ圧縮を使用。一般的なスピーカと違い、本体に耳を当てる位置で極端に音量が変化しないという使いやすさにも、SMART SONIC RECEIVERの特徴が活かされている。

 そのほかKDDIブースでは、次世代高速通信サービス「4G LTE」と3G/WiMAXを中心に快適な通信環境を実現するスマートネットワーク、HTML5でスマートフォン、タブレット、PC、テレビなどをつなぐマルチデバイス連携、スマートフォン単体で簡単にテキストから音声合成出力ができる「もっと楽しくなる!おしゃべりエンジン N2」、N2を利用した育成ゲーム「ぺらたま」を展示していた。

 またビジネス向けでは「広がるiPhone向けソリューション」と題して多彩なiPhoneアプリとの連携によるソリューションを紹介。「BCP(事業継続計画)に対応した新しいクラウド基盤サービス」として、パブリックとプライベートに両対応したKDDIクラウドプラットフォームサービスでのBCP対策も公開されていた。

  • テキストをベースに、話速、声の高さ、抑揚、ロボ効果などを調整して音声合成出力ができる「もっと楽しくなる!おしゃべりエンジン N2」

  • 「TAXIコンシェル」「FAQコンシェルジュ」「超音波ファイル共有」「ソーシャルメディア解析アプリ」「バーコードスキャナ連携デモ」「メンテナンス報告デモ」など多彩なiPhone向けソリューション

  • 米テラリコンとの協業で開発した、クラウドを用いた「リアルタイム3D資料画像ソリューション」のデモ。 医療画像をiPhoneやiPadで閲覧できる

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