NTTコミュニケーションズ(NTT Com)グループは、10月1日に新会社「NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション」(NTT Comオンライン)を設立した。企業マーケティング活動を支援する会社として、NTT Com、NTTナビスペース、NTTレゾナント、デジタルフォレストの関連事業を統合するかたちで、新たにスタートを切った。
新会社の目的や戦略などを代表取締役社長に就任した塚本良江氏に聞いた。塚本氏は、以前マイクロソフトのMSN事業部長を務めていた経験も持つ。
NTT Comのグループとして、基幹になっているネットワーク関連収入以外の新規収入を大幅に増やしていくという明確な方針があります。しかもグループ事業を「ポートフォリオ展開していく」と、NTT Comのトップは発言しています。その方針に従って、新規収入を担っていくのが新会社というわけです。
また、グループ企業でいろいろなインターネットやオンライン関連事業をやってきた中で、ばらばらにやってきた感がありました。これをこのまま個別に提供していては付加価値が生まれないと考え、トータルでワンストップで提供することにより、いまの時代に必要なものをきちんと提供していきたいということも、今回の再編、統合の背景にあります。
インターネットにはこれまでも何回か大きな波があったと思いますが、今回の波では「スマートフォン」と「ソーシャル」が相当大きいと考えています。スマホの時代、ソーシャルの時代に合った展開をしていくわけです。
顧客企業は、以前のように「ウェブサイトだけやっています」「ECの展開のみです」というわけではなく、かなりマルチチャネル化しています。このように顧客が変わっていく中で、NTT Comグループとしてもモバイルやスマホは本体でやっています、データベースやメールマーケティングはNTTナビスペースがやっています、というように個別のパーツを持っている感じではすまなくなりました。
ソーシャルの時代、対話の時代、エンゲージメントの時代などといわれる中、顧客企業が「ユーザーとの接点を持ちたい」と言ったとき、構築した接点から日々のコミュニケーションや対話していくことを広げていき、それを続けるほどに得られる大量のユーザーデータをビッグデータとして解析し、次の施策に活かしていくといった支援をワンストップで可能になります。そして、もう少し深く掘り下げて分析したい場合はオンラインリサーチをかけることもできます。事業の3つの柱がくるくる回るようなかたちでトータルに支援していきます。
それは徐々に進めていきます。第一弾はオンラインリサーチ。gooリサーチとNTTナビスペースのリサーチ事業をシステム的にも統合していきます。BuzzFinderが手がけるバズやVisionalistが手がけるアクセス解析、オンラインリサーチもダッシュボードのような形で統一して見たり、使えたりできるように整えていくつもりです。
また、ブランド名やソリューション名に関しては、時間をかけながら1つのラインナップに見えるように変えていく方針ですが、当面はこのままです。
NTTという会社自体ずっとコミュニケーション、つまり人と人をつなぐという仕事をしてきましたが、テクノロジーの変革に伴ってそのコミュニケーションの形態も変わってきました。ダイレクトコミュニケーションやマスコミュニケーションなどがあって、そして新しい時代でソーシャルコミュニケーションというのが生まれて。これは双方向だし、双方向を乗り越えて関心や感想を共有するとか、もっというと共創とか、そういうレベルのコミュニケーションが生まれています。
それはすばらしいことだし、豊かだし、力があるし、一個人としてももっと普及していくべきだと思ってます。そして、企業としてもうまく活用して、特にマーケティングの分野ではユーザーとつながってほしいし、企業の事業成果にもつなげてほしいと思っています。そういう新しい時代の新しい顧客コミュニケーションのあり方を通じて、会社を大きくしていくとともに、社会に貢献できたらうれしいです。まさに、このタイミングでNTTがずっと培ってきたコミュニケーションが大きく変わろうとしているのです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」