ソーシャル時代のマーケティング事業にかけるNTT Comグループ新会社 - (page 2)

別井貴志 (編集部)2012年10月03日 17時14分

--「コミュニケーションの変化」についてもう少し聞かせてください。

 ソーシャルコミュニケーションの市場と関わったのは、ウェブベースのTwitter/Facebookクライアント「CoTweet」を2011年3月1日より始めてからです。米国ExactTarget社が開発したのですが、日本では独占的に提供しています。こうした関係もあって日米の動きを両方把握できるのですが、時間差はありますが進化の過程は一緒だと感じています。

 TwitterやFacebookなどソーシャルメディアの活用は、すごいリアルタイム性と拡散性があるので、はじめは米国でも「へたなことをすると怖い」とイメージでした。そのため、企業も担当者数を限定し、信頼できる人を選抜して取り組んでいました。金融機関など、それでも不安な企業は運営委員会などを設置して、何を発言していいのかというのをそこで決めて、決められたことだけを発信していくということをやっていました。しばらくするとみんな疲れ果てて、やはり自由に発言できるようにしないとだめだということになっていったのです。

 だんだんと担当者が慣れれば、それにゆだねるようになっていきます。そして1部門でやっていたのが、顧客とのコミュニケーションが増えてくると内容が多岐になり、航空会社などが典型だが、いろいろな部署が関わるようになります。ユーザーの声を拾い上げるのは1カ所だが、拾い上げた声に対処するのはグループウェア的に振り分けるわけです。回答の履歴を積み上げていって。CoTweetはそういうグループオペレーションをを得意とするプラットフォームなのです。

 もっと大規模、たとえばスーパーマーケットなどチェーン店の展開などでは、各店舗ごとに顧客に発信しています。そうすると、例を挙げればアウトドアグッズを扱っているとすると、北にある店舗と南にある店舗では発信する内容が変わります。北の方では、もうすぐ「雪のシーズンですね。スキーのワックスは大丈夫ですか」と言って、南では「キャンプのシーズンですね。テントの張り方を教えましょうか」と言う具合に。このように、ある程度の訓練などをした上で、店舗ごとにユーザーとの対話をゆだねるという体制もあります。すると、Twitterのアカウント自体が何百とあって、使っている人が何千人という規模感にもなってくるのです。

--日本でも同様の流れになってきていますね。

 それでもまだ日本は、中央集権型という感じが強いですね。一部のだいぶなれてきた企業やネット系の企業が1カ所でやっていて、自由に発言できる人をだんだん作り始めているという段階にあるような気がします。しかし、日本が変わってきたのは、昔はある個人がいいキャラクター、個性的で強烈なキャラを持っていて、企業が発信していると言うよりもその個人がやってますというという感じでしたが、そこからは進化して、企業としてのコミュニケーションに明らかになってきているでしょう。万が一、情報を発信したりユーザーとコミュニケーションをとっている人が転勤しても、退社しても、企業として続いていくようなコミュニケーションができるような体制になってきていると思います。

 実は、CoTweetやBuzzFinderは、PR部門やマーケティング部門だけでなく、コールセンターやサービス部門からの話も増えています。「マーケティングの中心がコールセンターになる」と言っていた人もありましが、つまりマーケティングの中心が情報発信じゃなくて、コミュニケーションになるということが明確になってきたのだと思います。ユーザーからのクレーム処理や質問処理じゃなくて、双方向のコミュニケーションをすると捉えることです。実際にソーシャルコミュニケーションを取り入れると、サポート部隊がすごく元気が出て、モチベーションが向上するという話は、いまやどこからでも聞く話なのです。

 いままでのコールセンターだとクレーム、故障の数が見えますが、ソーシャルボイス、ソーシャルリスニングを始めると、そのほかに顧客の本音が見えてくるので、それが商品開発につながるアイデアなどにつながります。いままでの側面とはまったく違うユーザーの本音の声を拾えるので幅が広がり、それをどうフィードバックして各部門の改善につなげていくかが非常に重要なポイントになっていくでしょう。

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