それほど意外なことではないかもしれないが、Sean Parker氏の「Airtime」が苦戦を強いられている。
潤沢な資金を持ち、ビデオチャットを手がける新興企業のAirtimeは6月のサービス開始以来、複数の幹部社員の辞任や思うように進まないユーザーへの普及など、数々の問題に直面している。現時点で、同サイトの月間アクティブユーザー数は、わずか1万人程度である。そして、ニューヨーク市で開催され、有名人が大勢集まったローンチイベント自体でも、さまざまな障害が発生した。
しかし、それらの問題はすべて、新しい企業を経営するということに付随するものであり、Airtimeの前途に大きなことが待ち構えていることを示す複数の新機能が同サイトに追加される予定だ、とParker氏はAllThingsDとのインタビューで語った。
AllThingsDの記事によると、Parker氏は「われわれは自分たちのアプローチを繰り返し実行している。Airtimeは、私がそもそもこのプロジェクトに興味を持つきっかけを作ったより大きなアイデアのいくつかを、ようやく実現できる段階に達しつつある」と述べたという。
そうした新機能の1つが「Reactions」で、このオプションを利用すると、ユーザーはインターネットビデオを視聴する自分自身の姿をウェブカメラで撮影し、そのビデオを投稿することができる、と同記事は報じている。今週中に投入予定の同機能では、友達同士がそのオリジナルビデオを視聴している間に、同期を実行することが可能だ。そのため、視聴者は画面上で起こっていること、例えば、チームが勝利を決定づけるゴールを奪ったシーンに反応するお互いの姿を見ることができる。
それでも、Airtimeが直面する数々の問題は非常に大きなものだ。
Eric Feng氏は、自身の企業Erlyが3月にAirtimeに買収された後、同社に入社した。しかし、Feng氏は、近いうちに同社を去る予定である。AllThingsDによると、Feng氏には、同サイトを総点検するために同氏自身のチームを連れてきた功績があり、その製品チームも同氏とともに去ってしまうのではないか、という懸念があるという。
Parker氏とNapsterを共同創設したShawn Fanning氏は、もはやAirtimeで日常的な業務を担当していない。Fanning氏は、Parker氏がSpotifyに注力している間、Airtimeの最高経営責任者(CEO)を務めた。Parker氏はFacebookのMark Zuckerberg氏のような「明確なビジョンを持つ起業家」と一緒に働くときは成果を上げることが多いので、Fanning氏の役割が小さくなったことはParker氏のリーダーシップに対する懸念を抱かせる、とAllThingDは述べた。
さらに、Parker氏は6つの企業の取締役を含むさまざまな役割を引き受けており、Airtimeと無関係の仕事が既にたくさん入っている。
しかし、Parker氏がAirtimeを次世代のSkypeと表現するAirtimeは、「コミュニケーションを一変させる」だろう、と同氏は主張する。
「Airtimeは提供開始から12週間しか経っていない。私がAirtimeを経営するようになったのは3月からだ」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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