米ホワイトハウスの内部コンピュータネットワークの1つが「スピアフィッシング」攻撃を受け、侵入されたことが明らかになった。報道によると、侵入されたのは米大統領の通信に関する業務を担当するホワイトハウス軍務室(White House Military Office:WHMO)のネットワークで、機密扱いではないという。
保守系サイトFreeBeacon.comが米国時間9月30日に掲載した記事によると、中国政府とつながるハッカーが最近、「WHMOが核指令関連で使用するシステム」に侵入したという。WHMOが扱う核指令関連の情報には、いわゆる「核のフットボール」(米大統領が核攻撃に関する緊急指令を行う際に用いるブリーフケース)に関するものも含まれる。
スピアフィッシングとは、特定の個人や団体を標的とした攻撃で、その一般的な手法は、正規の通信に見せかけた偽の電子メールを送信するというものだ。
Washington Timesの元コラムニストで米国防総省の報道に長年の経験をもつBill Gertz氏が執筆した記事によると、今回の侵入は「9月に発生したもので、中国のコンピュータサーバーを利用したと思われる身元不明のハッカーが、戦略的核指令を含む米政府でも特に機密性の高い通信を担当する大統領の軍務室WHMOのコンピュータネットワークにアクセスした」という。
Politicoは10月1日付の記事において、匿名のホワイトハウス関係者が侵入の事実を認めたが、損害は出ておらず、機密扱いのネットワークには侵入されていないため、影響は深刻ではないとの見解を示したと報じた。
当のWHMOは自らの役割を、通信や大統領の輸送を含め「ホワイトハウスの機能を軍事的にサポートする」ことだと公式ウェブサイト上で説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果