MetaMoJiは9月26日、モバイル端末向け手書きノートアプリ「Note Anytime」を発表した。Note Anytime自体は無償で提供されるが、付加価値機能をもったアドオンやデザインされた表紙、用紙テンプレート、特別に描かれたイラスト、カリグラフィー文字などは有償となる。
タブレット、スマートフォン向けの主要OSに対応する意向であり、まずはiPad版を同日からApp Storeで提供した。10月末にWindows版、年内にiPhone版、来春にはAndroid版を投入する予定。
Note Anytimeは、水鳥の羽でつくったペンを意識した、カリグラフィーペンを使って手書きで文書を作成、編集できる。タイトル文字だけでなく、文章全体をカリグラフィー文字で作成、編集できる機能を搭載している。カリグラフィー文字は、ベクターグラフィックで描かれ、拡大と縮小も自在にできる。
有償のカスタマイズカリグラフィーペン(450円)を使うと、ペンの角度をはじめとする、詳細なパラメータを設定でき、オリジナルのカリグラフィー文字を作成できる。わかりやすい直感的なインターフェースで誰にでも簡単に利用できることを目指しており、フルスクリーンモードでは、画面の上で自在に動かせるボタンが一つだけ表示され、編集操作は、そのボタンを押して行う。
Note Anytimeでは、手書きだけでなく、ワープロのようなテキスト編集を可能とする「テキストボックス」、iPad内のアルバムや、その場で撮影した写真の取り込み、ウェブ画面の取り込み機能も用意しており、拡大や縮小、回転など、多様な配置が可能になっている。
写真の背景設定、さまざまな表紙や、用紙の設定もできる。PDFを取り込み、手書き文字を書き込むアノテーションも可能であり、そのままメールで送信できるほか、TwitterやFacebook、Tumblerにも対応している。
PDFの読み込みは「20ページで1秒、900ページでも4秒ほど」(同社社長の浮川和宣氏)でできるという。登録されている手書きイラストを呼び出したり自分の手書き文書を登録したりできる「アイテム・ライブラリ」も備えている。
画面上での文字や図形編集は、iPadやiPhoneなどでおなじみのピンチイン・アウトに対応しているとともに、描画画面の一部分を拡大して編集できるようになる「ディテールウィンドウ」を用い、より多くの情報を掲載した文書を作成することが可能だ。同社によれば、iPad上で最大縦4.0m、横5.3m、面積にして約12畳の広さに相当するほどの大画面を仮想的に創出することができるという。
またNote Anytimeは、MetaMoJiが運営するクラウド上のオンラインストレージ「デジタル・キャビネット」と自動的に同期し、データを保管ができる仕組みになっている。デジタル・キャビネットは2Gバイトまで無料で使える。
浮川氏は「国内でスマートフォンやタブレット型PCが普及し、世界でも一大潮流になっている。これらのようなスマートデバイス上でも自由自在に字でも絵でも編集できるものを創ろうと考え開発した。AppleのSteve Jobs氏はiPadは『紙とペンの新発明だ』と述べたが、それはハードだけでは実現できない。ソフトとハードの環境があいまったとき、実現できる」と指摘。「この製品のコンセプトは、紙と鉛筆が進化した新世代デジタルノートだ」と話す。世界規模での浸透を図っており、13カ国語に対応している。
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