「iOS 6」の一部として米国時間9月19日にリリースされたばかりのAppleの新しい「Maps」アプリケーションが、多数の地理的な誤りがあるとして世界中から非難を既に浴びている。
同アプリケーションは、都市を誤認していたり、誤ったアイコンを使用していたり、さらには一部のロケーションを表示しないとして批判されている。
例えば、アイルランドのAlan Shatter法務大臣はAppleに対し、Airfield House上の空港アイコンを削除するように求めた。アイルランドのBreaking Newsによると、Airfield Houseは空港ではなく農場だという。Shatter法務大臣は、パイロットがMapsを参照してその場所を空港だと考えてしまう可能性を心配したのだろう。
もちろん、パイロットは「iPhone」に搭載されているものよりも優れたナビゲーションシステムを利用するはずだと誰もが考える。しかし、それでもこの心配がまったく無用というわけではない。特にパイロットが装置の故障に見舞われたり、緊急着陸する必要が生じたりした場合はそうだ。
英国のいくつかのロケーションは、同アプリケーションにおいて位置が異なるか、掲載されていないとBBC Newsは報じている。
ストラトフォードアポンエイヴォンとソリフルは、どこにも見当たらない。イーストサセックス州の町であるアックフィールドは位置が誤っている。一部の学校は存在せず、また、川の中に家具博物館が配置されている箇所があるという。
Huffington Postなど、同アプリケーションに見られる最悪の誤りや滑稽な誤りのリストを既に作成しているウェブサイトも存在する。
アプリケーションを開発したのはAppleだが、実際のデータを生成したのは同社ではない。データそのものを作成したのはGPSメーカーのTomTomである。しかしTomTomは、批判をかわそうと躍起になっているらしく、同社は自社の地図品質に「自信」を持っているとBBCに述べた。
TomTomの広報担当者は米CNETに対しても、次の声明を送付した。
われわれは地図と関連するコンテンツを、RIM、HTC、サムスン、AOL(「MapQuest Mobile」)、Apple、さらにはGoogle(同社が独自の地図を作成していない地域用)を含む、携帯端末分野を対象とする大多数のメーカーに提供している。地図を使用するとき、ユーザーの体験は2つの要素によって左右される。1つめは基盤のコンテンツ、特に地図である。TomTomがモバイル業界に現在提供しているのはこの部分であり、それら企業の地図において最良の基盤となっている。ユーザー体験を左右する2つめの要素は、視覚的な画像など、マップアプリケーションに追加されるその他の機能である。これは通常、携帯端末メーカーとサードパーティソフトウェアのサプライヤーによって、その企業独自のビジョンとニーズに基づいて定義および作成される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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