The New York Times(NYT)は米国時間9月23日、クラウドの物理的な構造が環境に及ぼしている影響に関する調査シリーズを開始し、その第1弾の記事の中で、エネルギー浪費についてのいくつかの恐ろしい数値を提示した。しかし、同記事は、この分野で大幅な進歩を遂げてきたインターネット業界を不当に描いている、と主張する者もいる。
NYTのJames Glanz氏は1年間にわたる報道と調査を考慮に入れて、大半のデータセンターは非常に大量のエネルギーを浪費しており、それは「能率が高く、環境に優しいという情報業界のイメージと矛盾している」、と結論づけた。
同記事は、「オンライン企業は多くの場合、需要に関係なく、自社の施設を最大能力で24時間稼働させている。その結果、データセンターは配電網から得た電力の90%以上を無駄にする可能性もある」と述べている。
同記事は、さらに多くの驚愕すべき数値を提示している。「NYT向けに業界専門家たちが算出した概算によると、世界中で、デジタルウェアハウスは約300億ワットの電力を使用しており、それは30の原子力発電所の発電量にほぼ匹敵するという。また、米国のデータセンターがその消費電力量の4分の1~3分の1を占めているという」(同記事)
そして、次の引用は匿名の情報筋によるものではあるが、非常に強烈である。自社の評判を守るために匿名を希望した、業界のあるシニアエグゼクティブは、「これは、業界の不都合な秘密である。そして、誰も最初に過ちを認める人間にはなりたくない。もしわれわれが製造業界だったら、すぐに破産するだろう」と述べた。
このような重要な問題を取り上げたNYTに対し、複数のツイートやブログがすぐに賛辞を贈った。
しかし、同記事は、インターネット業界が能率を高めるためにこれまで行ってきたさまざまな取り組みに一切言及していないという点で、誤解を招くおそれがある、と主張する者もいる。
Forbesに寄稿したDan Woods氏は次のように述べている。
この記事はFacebookについての物語で始まり、「インターネット」が犯人であるという印象を明白に与える。しかし、引用されているすべてのデータが、同記事の冒頭で紹介された企業によって運用されているデータセンターに関するものだというわけではなく、さまざまなIT部門が運用するデータセンターに関するものも含まれている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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