ソニーが2011年に「Tablet S」を発表したとき、人間工学に基づくV字型のデザインを採用し、赤外線ユニバーサルリモコンが組み込まれた同タブレットは、ありきたりな「Android」タブレット体験をはるかに凌駕するものとなった。Tablet Sは確かに高価ではあるが、独特だった。
それでは、Tablet Sを少しスリムにして、クアッドコアの「Tegra 3」プロセッサを追加し、プロプライエタリな充電ポートを排除して、ソニーの「Xperia」ブランド(従来はスマートフォンのみが対象になっていた)に編入させたら、どうなるのだろうか。
その答えが「Xperia Tablet S」だ。米国時間2012年9月7日に発売予定(米国の場合)のXperia Tablet Sは、依然として安くはないが、多くのテレビ向け機能や刷新された「Android 4.0」スキンを備えている。筆者は数週間前、同タブレットに実際に触れる機会を得た(残念なことに、そのときソニー関係者は写真や動画の撮影を許可しなかった)。本記事ではその感想を述べる。
初代機のTablet Sは、「雑誌を逆に折り返したような」ユニークなV字型デザインによって、差別化を図っていた。新しいXperia Tablet Sも雑誌のような外観を保ってはいるが、初代機のV字型の形状とは異なる。新タブレットは、より直線的なラインと洗練度が増した外観を誇っている。その結果、初代機より軽く、薄くなった感じを受けるが、手に持ってみると、従来の雑誌のような感じは健在だ。
Xperia Tablet Sは、解像度1280×800ピクセルの9.4インチIPSスクリーンを搭載しており、ソニーの「TruBlack」パネルを採用している。同社によると、TruBlackは鮮やかさを増したカラーと深みのある黒色を実現し、スクリーンの反射を最小限に抑えるという。
Xperia Tablet S版のクアッドコアTegra 3のクロック周波数は、2~4コア使用時は1.3GHzで、1コア使用時は最大1.4GHzだ。1GバイトのRAMを搭載しており、ストレージサイズは16Gバイト、32Gバイト、64Gバイトの3種類が用意されている。また、802.11 a/b/g/n Wi-FiサポートとBluetooth 3.0、ジャイロスコープ、加速度センサを備えている。
接続端子には、フルサイズのSDカードスロットとHDMI入力が含まれる。また、ヘッドホンジャックと音量調節ボタン、電源/スリープボタンもある。ベゼルの上部には1メガピクセルの前面カメラ、その反対側の裏面には8メガピクセルのカメラが搭載されている。
筆者がXperia Tablet Sを試しているとき、ソニーはそのリモートコントロール機能を熱心に勧めた。初代機と同様に、Xperia Tablet Sも赤外線ブラスタを搭載しており、ソニー限定の「Watch Now」ソフトウェアおよび同社独自のリモコンアプリを組み合わせることで、タブレットがリモコン兼テレビガイドに変身する。
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