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「WORLD WING」通信障害、設備に設計上の問題--本来よりも低い処理能力に

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 NTTドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING」が8月13~15日に利用しづらくなった問題、いわゆる「輻輳(ふくそう)」と呼ばれる状態になったのは、通信設備に設計上の問題があり、本来の処理能力を発揮できていなかったことが原因だ。NTTドコモが8月29日に発表した。

 WORLD WINGの障害は、約220の国と地域、約8万人に影響が出た。障害は国際ローミングで利用する、携帯端末の位置登録情報や認証情報などを中継するネットワーク「国際共通線信号網」(NTTコミュニケーションズ=NTT Comが管理)内の通信設備に設計上の問題があり、トラフィックの疎通が偏っていたために本来の能力を発揮できていなかった。

 共通線信号中継装置(IP-STP)と国際交換機の間で国別に経路が選択されているが、特定の経路にトラフィックが偏っていた。IP-STPと国際交換機の間のリンクで、複数のリンクのうち特定のリンクにトラフィックが偏っていたことから、半分程度の帯域しか利用できない状態でもあった。十分ではない処理能力の状態で、海外渡航シーズンで通常よりもトラフィックが増えたことで、通信しづらい状況になってしまっている。

図 発生原因
※クリックすると拡大画像が見られます

 NTT Comは、8月14日にIP-STPと国際交換機の間のリンクを選択、8月16日に経路選択の設定を修正している。経路選択は9月上旬に見直し予定だ。今回の障害を受けてドコモとNTT Comは、緊急体制を構築している。

 今後の本格対策としては、NTT Comが一部の国際通信事業者向けの中継経路をIP-STPから直接接続に切り替える。国際交換機を新型に移行し、ネットワーク内の信号処理を向上させる。ドコモの対策としては、1国1オペレーター維持を目的に、現在NTT Comに収容しているオペレーターをほかの中継事業者に一部変更することで、冗長性を持たせる。

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