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ロンドン「Tech City」の熱気--五輪を機にスタートアップ分野も加速

別井貴志 (編集部)2012年08月27日 14時30分
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 2012年7月27日から8月12日まで17日間にわたって開催された英国・ロンドンオリンピックは、過去最高のメダル数を獲得するなど日本でもおおいに盛り上がった。そして、今週8月29日から9月9日まではロンドンパラリンピックが開催される。

 注目を浴びる英国・ロンドンだが、スポーツだけではなくテクノロジーやウェブ、クリエイティブなどの分野でも非常に力を入れている。オリンピックの開催に合わせて、こうした分野でもインフラの整備から成長支援政策などが続々と展開されている。そして、この分野の起業家やスタートアップ企業、投資家、支援者らが集まるロンドン東部は「Tech City」と呼ばれ、活気にあふれている。

 Tech Cityを紹介する前に、まずはオリンピック開催に伴うロンドンを見ておこう。2011年4月にロンドン市長であるBoris Johnson(ボリス・ジョンソン)氏の元でロンドンの公式なプロモーションを行う団体として設立された「London & Partners」に話を聞いた。

London & Partnersの2012 Games Business Managerを務めるLucette Dements(ルセット・デメッツ)氏 London & Partnersの2012 Games Business Managerを務めるLucette Dements(ルセット・デメッツ)氏

 London & Partnersの2012 Games Business Managerを務めるLucette Dements(ルセット・デメッツ)氏は、「オリンピックは地球最大のイベントで、競技者は1万7000人、認定されたメディア関係者が2万人、非認定メディア関係者が6000人ロンドンにやってきました。さらに7万人のゲームメーカー(オリンピックの運営委員会に協力してすべてがうまくいくように動くボランティアの人)もいます。また、ロンドンオリンピックは今回で3回目となり、3回主催する都市は世界でも初めて。第1回目は1908年、2回目は1948年でした」と意義を述べた。

 そして、今回のオリンピックの開催に伴って新築もしくは再開発された建物などが今後どのように利用されるのかを説明した。まず、オリンピックパークは2.5平方キロメートルの広さで、ロンドンの東部にあるストラトフォードという地域にある。この東部(Tech Cityも含む)は、伝統的に開発が遅れていた地域で、「この地域にオリンピックパークができることは、1つの触媒の役割をします」(Lucette Dements氏)という。

 オリンピックパークの中には、メインのオリンピックスタジアム、水上競技センター、自転車競技場、選手村、報道・放送関係者のセンターの大きく5つの施設があり、オリンピック後にどう使われるかは協議中だ。ただしオリンピックパークは、はっきり2つに分かれる。北部は非常に静かでリラックスできる住宅地、南部は観光客向けの娯楽施設に変身する。大きなショッピングセンターができ、バーやレストランなどもある。また、スポーツ施設もそのまま活用され、たとえば2017年の世界陸上大会の開催も決まっている。さらに、ロンドンでももっとも交通の便がよくなり、いまある地下鉄のほかに2018年までにはクロスレールというロンドンを東西につなぐ新しい鉄道路線もできる予定だ。

London & PartnersでSenior Business Development Managerを務めるPru Ashby(プル・アシュビー)氏 London & PartnersでSenior Business Development Managerを務めるPru Ashby(プル・アシュビー)氏

 London & PartnersでSenior Business Development Managerを務めるPru Ashby(プル・アシュビー)氏は、ロンドンの優位性について、「ロンドンは21年間継続して欧州のナンバーワンビジネス都市として投票されました。ロンドンが場所的にユニークなのは、タイムラインが実質的にゼロ、つまり時差ゼロであること。ロンドンにいると、日本でも米国・サンフランシスコでも営業時間が一部重なるということです」とアピールした。

 さらに、インフラ面についても「欧州で一番忙しい空港がヒースロー空港です。ヒースローから直行便が約450カ所に向けて出ているのです。通信網もロンドンはブロードバンド回線がほぼ100%カバーされており、しかも競争が激しいために、欧州の中で一番ブロードバンド価格が安い都市のひとつとなっている。また、ロンドンのWi-Fiカバー率は100%を目指しています」と利便性を強調した。

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