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裁判に見るデザイナーの意見とビジネスインパクト--松村太郎のAppleニュース一気読み

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 8月5日~8月12日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 日本はお盆休みですが、引き続き、AppleとSamsungの裁判、そして次期iPhoneに関しての更なる情報が出てきている。また、Apple IDの乗っ取りなど、セキュリティに関する問題も明らかになった。注目ニュースを振り返る。

「Macintosh Artist」のアイコンデザイン

画像で見る初期Macのアイコンデザイン(8月6日)

 Samsungとの裁判の証人リストに名前が挙がったSusan Kare氏は、1980年代初めにMac OSのインターフェース要素やグラフィクスを作り出した人物。Macが起動する画面に表示される、ほほえむMac「Happy Mac」の産みの親だ。これらのグラフィックスはMac OS 9まで踏襲されていたが、現在のOS Xでは、アクア、メタルなどのテクスチャと、リアルな素材をモチーフにしたユーザーインターフェースとグラフィックスが用いられている。

 しかし、キーボードにあるcommandアイコンや、処理中に表示される腕時計のマウスアイコン、手のマウスアイコンなど、Kare氏のデザインを垣間見ることもできる。

AppleとSamsungの裁判=デザイナーの意見とビジネスのインパクト

 引き続き、様々な証拠や証言が続くAppleとSamsungの裁判。8月11日にはiPadやiPhoneの販売データも公開され、iPhoneの台数は合計8500万台で、売上高は500億ドルを売り上げていることが明らかになった。この数字はSamsungが指摘された意匠権の侵害にまつわる端末の台数のおよそ4倍。ビジネスのインパクトからすると、Samsungの端末がAppleのビジネスをそこまで大きく阻害したのか、という視点も出てくる。

 一方で、先にご紹介したSusan Kare氏や、アメリカインダストリアルデザイナー協会の元会長で、製品デザイン企業Bresslergroupの創設者兼取締役会長でもあるPeter Bressler氏など、デザイナーの意見からすると、Samsungの製品はAppleのデザインに酷似しているとの見解が揃って出てきている。

 もちろんビジネス的なインパクトは小さくないが、それ以上にデザイン上のインパクトが指摘されるこの裁判に、Appleはどんな意味を持たせているのだろうか。これは、リークも含めて、Appleは意味のない行動を取らないという前提での話だ。メンツなどの問題ではない。

 これまでAppleは、デザインに気を配りながら全く新しい製品を世の中に送り出してきた。そういう自負もあり、また消費者からの評価もある。AppleのPhil Schiller氏は先々週の証言で、「(Appleのデザインをコピーすることで)Appleのマーケティングにただ乗りしている」と主張した背景には、Apple Storeを整備し、全く新しい製品に「触れてもらう」場を自ら用意し、その先進性の伝達に努めてきたことがあるはずだ。

 そして、Samsungに製品のコピーを止めるように裁判を起こしているが、今後もAppleは、複数の製品に対するデザインを武器とした「再発明」を狙っており、同じようにコピーされることを嫌がっているのではないか、と推測することができる。

 報じられているとおり、最も近い「次」の製品としては、テレビがある。テレビと言えば、日本のブランドは見る影もなく、Samsung、LGといった韓国企業が世界のトップブランドとして君臨している。Appleが仕掛けるイノベーションに、再び「乗っかる」ことを避けさせたい狙いがあるのではないだろうか。

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「生活が乗っ取られる」パスワードでは守れないデジタルの現状

 元Gizmodo記者であるMat Honan氏が、GoogleやTwitterアカウントなどを削除され、MacやiPhoneなどのデバイスのデータも丸ごと消されてしまった問題。今回の被害を分析したHonan氏本人の結論は次のようなものだった。

 「結局のところ、電子メールアドレスのほかに必要なのは、請求先住所と登録されているクレジットカード番号の末尾4桁という簡単に入手できる2つの情報のみだ。そして、筆者の氏名と住所、クレジットカード番号の末尾4桁を入手したPhobia(ハッカー)はAppleCareに電話をかけ、筆者のデジタル生活は破壊されたというわけだ」(Honan氏)

 AppleやTwitter、Facebook、Amazonなどの複数のアカウントで、パスワード復旧に必要な情報は異なる。パズルのような話ではあるが、分かっている情報を活用しながら複数のサービスでのパスワード照会、アカウント復旧などを試みることで、アカウントの乗っ取りが可能になってしまう。いくらパスワードをバラバラにしていても、あまり影響はないだろう。

 Appleは電話によるパスワードのリセットについて、その方法を見直すこととなった。しかし、どのようにすればよいか、もしもの時にどう対応すれば良いか、という点について、明確な答えが出たわけではない。もちろんきちんと自分の情報のバックアップを取ったり、こまめにパスワードを変えることは重要だが、リテラシーのレベルの違いもあり、どのようにこれらの溝を埋めるのか、少し考える必要がある。

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