最後にご紹介するのは、まさに2012年らしい、参加型でハイブリッドな存在のバイラルビデオだ。アメリカのケーブテレビ向けのドラマ専門チャンネル「Turner Network Television(TNT)」がベルギーに進出した際に、ゲリラ的なプロモーションを行なった。2012年4月にYouTubeで公開されたのは、その記録を編集したプロモーションビデオ「A DRAMATIC SURPRISE ON A QUIET SQUARE」であるが、そのあり方が、まさに2012年型のバイラルCMなのだ。
ベルギーのとある街角の小さな広場に「ボタンを押して日常にドラマを」という看板とボタンがある。さてそれは何なのか? 街の人の反応は? と、いったもの。ちなみにTNTチャンネルのスローガンは「We Know Drama」。このビデオは最初の24時間で1000万回以上視聴されたとのこと。
このビデオのバイラルスピードには驚くべきものがあるが、その秘密は見て頂くのが一番だろう。なぜなら、あなたもきっと誰かに、この映像を伝えたくなるはずだからだ。
バイラルCMの精神とは、みんなに楽しんでもらい、話題を広げてもらえるようなものを提供すること。大切なのは、その精神であり、カタチは時代に合わせて変えればいい。
だからTNTのような記録映像でも、もちろんOKなのだ(そもそもCMの概念自体が拡張している時代なのだから)。もはやCMもムービーも動画もビデオもコンテンツも全部同義語で、ただ実際に、映像というカタチの方が世界観を伝えやすく、人から人へ共有しやすい、というだけのこと。
現在のようにSNSが発達し、動画サイトを気軽に共有できる時代だからこそ、バイラルコミュニケーションはますます重要になっていると考える。それが面白ければ、人に伝えたいものであれば、コンテンツは共有されて、どんどん広がっていくのだから。
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