IT部門が政治的な駆け引きに長けた集団である必然性はないものの、自社のさまざまな部門の人々と強い関係を築くことのできる人材がいれば、何かにつけて有益となるはずだ。こういった関係の構築によって他部門との連携やプロジェクトの成功が促進されるのである。
新しいアプリケーションの使い方をユーザーに教育できる人間は、IT部門にとってプロジェクトの運用展開工程において役立つ人材と言えるだろう。また彼らは、部門内部でIT技術を教育する際の貴重なリソースともなる。さらに、「真のIT教育」は日々の仕事におけるOJTによって達成されるため、他の要員と歩調を合わせて指導やサポートを行うようにできれば、その価値はより高いものとなるはずだ。こういったプロセスの中心には、知識を共有しようとする意思と、学習者の言うことに耳を傾け、その学びに辛抱強く付き合うという能力が必要になる。
IT技術者はものごとを2進数(白か黒)で考えがちである。しかし残念なことに、プロジェクト内に蔓延する人間関係のあつれきの多くは「灰色」なのだ。つまり何が正しくて、何が間違っているという絶対的な答えなどないにもかかわらず、全員が納得できる答えを見つけ出さなければならないわけである。問題を洗い出して明文化し、皆がその内容を認識できるようにしたうえで解決できる人材は、プロジェクトの遅滞を避け、期間短縮に結びつけるうえで欠かせないはずだ。
ITやマネジメントに関する教育プログラムで、ベンダーマネジメントについて教えられることはほとんどない。また、こういったことを実行しようとしているIT技術者も非常に少ない。しかし、アウトソーシング、およびベンダーマネジメントの必要性が増加しているなか、SLA(サービス品質保証契約)やKPI(重要業績評価指標)の内容が社内のニーズに合うことを保証しながらベンダーと仕事を行えるような、管理スキルとマネジメントスキルを備えたITプロフェッショナルは、ITが関係してくる領域において大きな価値をもたらすことになる。またそういった人材は、昇進の可能性も高いのである。
クラウドベースのソリューションの増加に伴い、契約折衝にまつわるスキルと法律知識の必要性が高まっている。このため、こういったスキルを有したIT技術者が評価され、優遇されるとともに、高給と幹部の地位が与えられることもしばしばある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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