ほとんどの技術者にとって、ITという分野のトップに上り詰める方法を会得することは難しいものの、そのための最善とも言える方法に関して、第一線で活躍する最高情報責任者(CIO)のPaul Coby氏がシンプルなアドバイスを以下に紹介する。
あなたは一流のCIOを目指しているのだろうか?CIOの座はキャリアの最終目標としては非常に筋が通っている。しかし、さまざまな困難や苦労を乗り越え、IT分野におけるリーダーシップの最高峰に到達するにはどうすればよいのだろうか?
キャリアを積み重ねていくうえでのベストプラクティスに通じるアドバイスが必要なのであれば、テクノロジ分野における王座を手に入れ、その座に君臨し続けている人の言葉に耳を傾けるのが道理だろう。英国の大手小売業であるJohn LewisのIT責任者であり、British Airwaysの元テクノロジチーフであるPaul Coby氏はそういったCIOの1人である。
Coby氏は公務員として第一線で17年間を過ごした後、British AirwaysのグループCIOを10年間務め上げている。その後、John LewisのIT部門を率いる傍らで、Coby氏はe-skills UKというIT分野の職業訓練機構の上級職を務めている。以下では、次世代のCIOの座を射止めようとしているITプロフェッショナル向けに、同氏が自らの経験から導き出した5つの最重要ティップスを提供してくれている。
Coby氏は自らの経験を元に「ITプロジェクトなど存在しない。業務プロジェクトがあるだけだ」というシンプルな名言を生み出している。
同氏の名前を世に知らしめたのはこの名言である。そのことは同氏も認めている--「この言葉は人々の共感を呼んでいる。みんな分かっているのだ」(Coby氏)
こういった反響の大きさは簡単に説明することができる。現代においてITで成功を収めるということは、新たなビジネス機会を支援するためにテクノロジを活用すること--それがすべてなのである。ITプロフェッショナルが、こういった手法によって組織を支援しようとする以上、彼らはいつも頼られる存在となっていなければならない。Coby氏の言葉を借りると「あなたは常に業務ユーザーとつながっている必要がある」ということである。
Coby氏が他のCIOに対して行ったアドバイスのなかに、専門用語を連発するような落とし穴にはまらないようにするとともに、組織がテクノロジのもたらす業務上のメリットに注目するよう仕向けるというものがある。
同氏は「専門用語で話してはならない」と述べるとともに、「専門用語を使うことの重要性は皆が分かっているものの、人々は少しでもとっつきがたい言葉を聞くとすぐに興味を失ってしまう。しかし、現代の業務におけるITの重要性を考えた場合、こういったことが起こらないようにしなければならないのだ」と主張している。
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