楽天は8月3日、2012年度第2四半期(4~6月)決算を発表した。売上高は前年同期比12.2%増の1018億円、営業利益は同26.0%増の180億円、経常利益は23.6%増の177億円、純利益は118億円(前年同期は488億円の赤字)となった。
セグメント別に見ると、インターネットサービスの売上高は前年同期比22.5%増の624億円となった。楽天市場が復興特需の反動が合ったにもかかわらず堅調で、前年同期比12.5%の成長。また、スマートフォン経由の流通総額がフィーチャーフォン経由の流通総額と逆転。「今後3年以内には流通総額の50%以上がスマートフォン経由になるのではないか」(楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏)。
さらにセールイベント「楽天スーパーSALE」は370億円の流通総額を達成した。ユニーク購入者数でも前年同期比12.2%増加の1201万人、注文件数も同21.6%増加の5004万件となった。
インターネット金融部門の売上高は前年同期比4.6%増の374億円。楽天カードは売上高で前年同期比30.3%増。ショッピング取扱高、リボ残高共に成長。その他の事業も堅調に成長した。楽天球団やフュージョン・コミュニケーションズなどを含むその他分野では、売上高が前年同期比1.5%減の92億円となった。
同日開催された決算説明会で、三木谷氏はあたらめて7月にサービスを開始したkoboについて説明した。コンテンツの販売は大変堅調であり、出版社からも評価が高いという。日本語コンテンツについても、今後は8月末までに6万タイトル、年末までに20万タイトルのラインアップを用意し、数年内に150万タイトルまで拡充するという。
ユーザービリティ向上に向けてソフトウェアアップデートを続けるほか、24時間体制のコールセンターを用意するなど、サポートを強化していく。「日本は重要な市場。できる限りカスタマイズしていく」(三木谷氏)。また、kobo Touchは世界展開しているため、日本特有のアップデートが負担になるのではないかという質問に対して「(標準規格である)EPUB3を採用している。ルビなど日本特有の問題点は若干あるが、新規の改善はほかの市場でも使えるもの」(三木谷氏)だとした。
だがその一方で、説明会の質疑応答前には、「決算に関する質問だけを受け付ける」という旨のアナウンスがなされたほか、通常決算後に行われていた三木谷氏の囲み取材などもなく、同氏は説明会後すぐに会場を去った。このため、koboのサービススタート時の問題について三木谷氏がこれ以上コメントすることはなかった。
説明会ではこのほか、自社の公用語英語化の状況についても説明があった。2012年より正式に社内公用語を英語とした楽天。この取り組みを発表した2010年10月の社内TOEIC平均スコアは526.2点だったが、現在は700.3点まで向上しているという。さらに、新規採用者の約3割は日本人以外となっており、「優秀な人材を世界から採用できる」(三木谷氏)状況だという。
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