3. デモを用意しない。デモを用意せずに起業のアイデアを売り込もうなどとするのは、イグジットの実績があり、すでに成功した経験を持つ起業家だけだ。ほかのすべての起業家にとっては、デモや試作品は不可欠だ。自分が成し遂げようとしていることをベンチャーキャピタリストに理解してもらうのに、手を触れることのできるデモほど役に立つものはない。
試作品も作っていない段階で、自分の新興企業の売り込みを始める理由は何もない。才覚のある起業家はいつも試作品を用意する方法を見つける。あなたにもできるはずだ。
4. 無礼で無愛想な印象を与える。投資は、チームと人間関係がすべてだ。シード段階では特にそうだ。個人投資家やベンチャーキャピタリストは投資先を、主にそのチームに対する印象に基づいて選ぶ。このチームは聡明だろうか。やるべきことを理解しているだろうか。困難な状況では協力し合えるだろうか。
チームに問題があったり、創業者が無礼だったりすることほど、素晴らしい起業のアイデアを駄目にしてしまうものはない。横柄でも構わない。成功者は多少虚勢を張るものだ。しかし、筆者がかつて提案した、投資家とは一緒にビールを飲めるくらいの間柄であるべきというルールをクリアしなければ、もう1度会う約束は取り付けられない。
5. 非常識な評価額を要求する。実績のないチームがまだ発売されてもいない製品を持って筆者のところにやってきて、1000万ドルの評価額で資金調達するつもりだと主張することが、これまでに一体何回あったことだろう。とてつもなく高い額を起業家の口から聞くたびに、いまだにあきれかえってしまう。
新興企業向けのアクセラレーターやFacebook、開発費用の低下、才能あるエンジニアの不足といったことがすべて、特にシード段階にある新興企業の評価額の伸びにつながっている。しかし、優れた投資家が非常識な条件を受け入れることはない。そうした投資家には、もっと良い評価額をつける機会がほかにたくさんある。あなたが提示した非常識な額を、彼らが支払う必要などない。
資金調達の目的は、できるだけ高額な評価額を得ることではない。できるだけ優れた投資家を見つけることだ。Ron Conway氏やMarc Andreessen氏が、自分たちの投資する企業をいかにして死のふちから救い出したかという話を、筆者は数え切れないほど聞いてきた。起業家が味方にするべきなのは、こうしたタイプの投資家だ。
自分の会社の評価額について、強欲であってはいけない。リサーチを行い、多くの起業家と話をして、適切な評価額を見つけるべきだ。多くを求めすぎることによって、自分から試合に負けてはいけない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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