Amazonのクラウド型音楽サービスが、ついにAppleの「Scan and Match」機能に並んだ。
米CNETは6月に初めて、Amazonが「Scan and Match」機能を提供するために大手レコードレーベル4社からライセンスを取得したことを報じた。ウェブ最大手の小売業者であるAmazonは米国時間7月31日午後、このライセンス契約を公式に発表した。同社の「Cloud Player」のユーザーは同日から、個々の楽曲を自分のクラウド音楽ロッカーにアップロードする面倒な作業が不要になった。
年間25ドルでAmazonのプレミアムサービスを利用すれば、同サービスがユーザーのハードドライブをスキャンし、見つかった楽曲を同社のサーバに保管されている2000万以上の楽曲と照合する。そして、ウェブに接続された「Android」デバイスや「iPhone」など、ユーザーが楽曲を聴くために選んだデバイスに、Amazonのサーバからその楽曲をストリーミングする。また、Amazonによると、ユーザーが以前に同社から購入した楽曲は自動的に保管されるという。
ユーザーは25ドルの価格で最大25万曲まで保管できる。これは「iTunes」の10倍だ。またAmazonは、同社から購入したすべての楽曲と、別のストアで購入した250曲までを保管できる無料版のサービスも提供している。
この動きはAmazonにとって、小さくはあるが重要な戦略転換だ。同社は2011年3月にライセンス契約をしていないサービスを開始し、AppleのiTunesと「Google Music」を出し抜いてクラウドに対応した。しかし、レーベル各社の怒りをかってしまった。レーベル各社は、考えうる最も優れたユーザー体験は完全にライセンスを受けたサービスでのみ実現されると考えていた。
業界の多くのアナリストたちは長い間、ローカルハードドライブではなくインターネットサービスを通じてデジタルメディアを保管することに将来性があると述べてきた。一般ユーザーがどの程度クラウドストレージを受け入れるかは、現時点ではまだわからない。しかしAmazonの今回の選択は、肯定的な兆しと言えるだろう。
Amazonがもし、Appleの「Scan-and-Match」機能には価値がないか、ライセンスなしでのAmazonの配信がうまくいくと考えていたならば、同社はサービスのライセンスを取得しなかっただろう、と考えられる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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