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リソース不足によるプロジェクト崩壊を防ぐ--役割を兼務するメンバーの士気を保つには

Rick Freedman (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎2012年08月06日 07時45分
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 わたしは今、顧客と興味深いやりとりをしている真っ最中なのだが、他の顧客や組織も同じ問題で苦しんでいるのかと気になった。この顧客のところでは、開発者として契約したスタッフメンバーが、(リソース不足と人員削減のあおりで)テスターとビジネスアナリスト(BA)を兼ね、時にはプロジェクトマネージャー(PM)の役割も果たすことを求められている。この状況で起きる困難には、リソース管理の難しさ、役割の混乱、スキルの不一致、士気ややる気の低下、そしてビジネス上の成果を上げることの難しさも含まれる。 では、これらの困難についてもう少し詳しく見てみよう。

 開発者として投入されたチームメンバーや契約業者がBAやPMの役割も果たさなくてはならない場合、リソースプールの状態を理解したり、管理したりするのが難しくなる。例えば、ある開発者は、ビジネスの分析やプロジェクト管理、テストにどれだけの時間を割いたのだろうか?事業部門で高収益が見込める素晴らしいアイデアが出てきたとき、誰に支援を求めればいいのだろうか?そして、どんなリソースが利用できるのだろうか?さらに問題なのは、チーム全体がいろいろな役割を兼務している時、マネージャーはリソースの割り当てや将来のニーズについて、どのように計画を立てればいいのかということだ。

 スタッフ間での役割の混乱は、やる気をなえさせる大きな要因となる。ある人たちがテスターとして、開発者として、あるいはPMとして参加しているのは、そこにその人たちの興味やスキル、自信があるからだ。そういう人たちを見境いなくある役割から別の役割にと振り回してしまえば、それらの作業はすべて交換可能で、それらの作業と結びついた個別の才能やスキルセットなど存在しないという、破滅的なメッセージを送ってしまうことになる。チームに自己評価することを求めたことがある人なら誰でも知っているだろうが、やる気のある人は、むしろマネージャーよりも自分たちに厳しい目を向けていることが多い。彼らは自分に多くを期待している。これは、自分が選んだ分野で、優れた存在になりたいと思っているからだ。彼らに場当たり的にさまざまな役割を行き来させれば、彼らの自己同一性や自尊心に対する必要性など気にかけておらず、彼らを単なる駒として見ており、自分たちに都合がいいように動かそうとしているというシグナルを送ってしまう。士気に影響があるのは明白だ。

 ビジネスを分析するのに必要なスキルセット、例えば要件定義、データベースのモデリング、ビジネスコンテキストの理解などは、しばしば開発者やPMに必要とされるスキルセットとは大きく異なっている。PMや開発者は、それらのスキルを持つ必要はないと言っているのではない。これは程度の問題だ。わたしが部下として持ったことのある最高のBAたちは、ビジネス上のカウンターパートとの関係を築き、彼らのビジネスに特有の困難や性質を理解することに非常に長けていた。彼らはデータベースのモデリングに関する技術的なスキルを用いて、ビジネスアプリケーションを提供するのに必要な情報を捉え、維持することができた。彼らは将来のビジネスニーズを洞察力で予想することができたため、彼らが設計したデータモデルは、将来のニーズにも対応できるだけの大きさと広がりを持っていた。端的に言えば、ビジネスの分析とはそれ自体がスキルであり、開発者を呼んでビジネスアナリストをやれというだけでは、なかなかうまくいかないものなのだ。

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