トレンドマイクロは7月31日、コンシューマービジネスの戦略を発表した。同社グローバルコンシューマービジネスの統括責任者である取締役副社長の大三川彰彦氏は、「誰でも、どこでも、いつでも自由に楽しめるデジタルライフの世界は始まっている」として、2013年で25周年を迎える同社のビジョンを「デジタルインフォメーションを安全に交換できる社会」とした。
そして「トレンドマイクロはウイルス対策中心から事業領域を拡大する」と宣言。その領域を「デバイス」「データ」「プライバシー」「ファミリー」とし、その理由に「情報の拡散と集約」「利用端末の広がり」といった環境の変化を挙げ、4つの領域で新たに生じる不安や不便を「デジタルライフ支援サービス」で解消、自由なデジタルライフを実現するとした。
同社では、そのために従来のグローバル組織で「インターネット」「モバイル」のチャネルに加え「ホーム&データマネジメント」を新規に設置する。さらに、同社独自のソフトウェアだけでなく、ハードウェアメーカーなどのパートナーと連携してフレキシブルなソリューションを提供するため、日本の組織に「ビジネスデベロップメント」を新たに設置、日本から新しいソリューションビジネスの創出を推進する。
大三川氏は同社のグローバルコンシューマー事業の中期目標として、総売上高を2014年には25%増の550億円以上、2016年には45%増の650億円と掲げた。具体的には、新興国市場では新規顧客の獲得、先進国市場ではテレコム・xSPとのアライアンスを軸とした新規チャネル開拓とサービス型ビジネス、日本ではウイルス対策ソフトウェアの「ウイルスバスター」のビジネスを維持するとともに、デジタルライフを守る新しい市場創出によりグローバルを牽引する考えだ。
同社の執行役員、ホーム&データマネジメント 製品企画・開発 統括部長である吉田健史氏は、製品開発コンセプトに「デバイス環境の変化」「コミュニケーションの進化」「Power of Cloud」を挙げ、セキュリティメーカーがいろいろなものを組み合わせることで、モノ作りのパラダイムシフトを起こすとした。また組織変革による垂直統合で意思決定を早くし、マーケットと開発を近づけてソリューション提供を早めるという。
吉田氏は、開発中のソリューションとして、家庭のWi-Fiを活用してデジタルカメラやAndroid端末などで撮影した写真を素早くクラウドに保管し、PCやテレビから閲覧できる「写真管理サービス」、複数のウェブサイトの異なるログインパスワードをクラウドで管理し、安全で容易にログインできる、パスワード管理ツール「パスワードマネージャー」のデモを実施した。そしてトレンドマイクロは「今日から複雑なセキュリティをカンタンにする会社になる」と宣言した。
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