KDDIは7月31日、同社とグローバル・ブレインが手がけるベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」による出資を拡大するとともに、「auスマートパス」でのベンチャー企業との提携を進めると発表した。
KDDIでは、新たにTOLOTに対して同ファンドから5億円を出資する。TOLOTは、スマートフォンで撮影した写真でフォトブックを作成できるアプリ「TOLOT」を開発する企業。A6文庫本サイズ、64ページのフォトブックを500円で作成できる。データは1年間保存されるため、再注文や再編集も用意だという。
今回の出資に合わせる形で、8月1日よりAndroidアプリを公開。auスマートパスの会員限定で提供するアプリでは、1冊目のフォトブックを無料で作成できるようにする。
auスマートパスについては、TOLOTのほか、クラシファイドサービス「ジモティー」を提供するジモティー、オンラインプリントサービス「しまうまプリント」を提供するしまうまプリントシステム、海外スマートフォン向けゲームアプリのローカライズを手がける「3rdKind」が、それぞれアプリの先行配信やアプリ内でのコンテンツといった特典を提供する。
このうちジモティーに関しては、同ファンドより出資済みであることが6月に発表されている。ただし出資額については非公開。しまうまプリントシステムと3rdKindについては現時点では提携のみの状況で、出資については検討中だという。
同日開催された発表会で登壇した、KDDI新規事業統括本部新規ビジネス推進本部副本部長の増田和彦氏は、インターネットがオープン化されるにともなって、キャリアがサービスを作り込むのではなく、すでにあるものを早く手軽に取り込んでいく時代になってきたと説明。その一方でパートナー企業とのシナジー最大化を目指した協業や出資という点で、大企業ゆえにスピードが課題となっているとした。
そのジレンマを解決すべく設立されたのがKDDI Open Innovation Fundだ。これまでKDDIで投資を行う際、案件を数多くの会議にかけるフローがあったが、KDDI新規事業統括本部新規ビジネス推進本部戦略推進部長の江幡智宏氏によると、同ファンドでは投資委員会の判断で投資の決定を行える体制をとり、意思決定の迅速化を図っているという。
今後はファンドからの出資も強化するということだが、対象となるのはKDDIの事業とシナジーのある事業を展開する企業が中心になる。投資額については「社内的な上限額はあるが非公開。具体的な金額は企業の調達計画などに依存するので、条件に応じて決定する」(増田氏)という。
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