カリフォルニア州サンノゼ発--当地にある米連邦地方裁判所で開かれるAppleとサムスンの審理の初日となった米国時間7月30日、同裁判所のLucy Koh判事は、「これは非常に興味深い裁判になるだろう」と陪審員候補者らに語った。
それは控えめな発言であると言ってよいだろう。約1カ月続くと予想されている今回の裁判は、知的財産侵害を主な対象としているが、携帯端末市場、そしてより一般的な電子機器市場において、足場をさらに強化しようと図るハイテク大手2社の争いの中心となるものである。
両社は30日、陪審員選定に続いて冒頭陳述を始める予定になっているが、それもまだ始まっていない段階において、使用できる証拠の追加や削除をめぐり、土壇場での動きが多数あった。
サムスンは、自社の証拠における主要な2つの要素と同社が考えるものについて、裁判での使用許可を求めた。1つめは、あるAppleデザイナーからのソニーの意匠に関連する証言である。サムスンの弁護士側は、その証言について、Appleが意匠のヒントを他社から得たことを示すものであるため、自社の主張に不可欠であると主張していた。Appleは自社の意匠を、今回の裁判においてサムスンに対する訴えの対象としている。
Koh判事は29日、この証言(と電子メールの通信内容)を冒頭陳述からは除外すると決定した。Koh判事は30日、両社に対し、同証言を含めるべきかどうかを判断するためにそれぞれの側における主張を簡潔に記述するように求めた。
もう1つの証拠は、サムスン社内の製品計画からの一連のスライドである。これらのスライドには、長方形のタッチスクリーン搭載スマートフォンが記載されおり、サムスンは、これらの意匠について、Appleの「iPhone」が最初に発売される前である2006年の自社計画には含まれていたと主張している。「Appleは、自社の意匠をサムスンが模倣したと主張している。(それらの意匠は)iPhone発表以前のものである」とサムスンの弁護士は主張していた。
米国太平洋時間7月30日4時10分更新情報:Appleとサムスンの特許侵害裁判は、陪審員を決定して初日を終了した。
裁判所が多数いる陪審員候補者の中から絞り込んだ10名が証言を聞き、決定を下すことになる。
今回の選出過程において、陪審員候補者は多くの質問をされた。質問内容は所有するガジェットに関するものから、いずれかの企業における勤務経験にまで渡った。このような質問は、裁判が行われる場所を考慮した場合、重要である。サンノゼにある米連邦地方裁判所は、クパチーノのApple本社からわずか数キロしか離れていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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