アップルは7月26日、Mac向けOSの最新版「OS X Mountain Lion」のリリースを受けて説明会を開催した。OS X Mountain Lionは、9番目のメジャーリリースとなる。
ダウンロード販売のみで「Mac App Store」から1700円で購入できる。前回のOS X LionではUSBメモリに入れたバージョンを販売していたが、今回はないという。なお、インストールにはSnow Leopard(OS X v10.6.8)以降を搭載したMacが必要だ。
なお、6月11日以降に購入した人には「Up-to-Dateプログラム」として無料アップデートが適用される。アップルのウェブサイトでオンライン申請すると、無料でアップグレードできる番号が提供されるしくみ。ただし、全世界でこのUp-to-Dateプログラムに不具合があったようだ。申し込んでもコードが受け取れない、あるいは受け取ってもダウンロードできないといった事態が発生。これについて、アップルジャパンは米国の対応に準じ、同様に「影響を受けたユーザーには順次対応していく」としている。
OS X Lionは、全ユーザーの40%が使用しているという。Microsoftの「Windows 7」が27カ月かけて同じ普及率に達したのに対し、OS X Lionはわずか9カ月で40%を達成したとしている。
OS X Mountain Lionは、OS X Lionと同様にiOSで搭載した機能の多くをMountain Lionにも組み込んでいる。
「Moutain Lionは、デスクトップ向けのOSとして最適化したもの」として、200を超える機能の中から主なものを紹介した。多くはアップルのウェブサイトでも紹介されている。
なお、新機能については、CNET Japanで紹介している「絵で見る「Mountain Lion」日本語版の新機能--iOSデバイスとの連係も強化」も参考にしてほしい。iCloudは、現在1億2500万を超えるユーザがいるという。MacのiCloudから「Apple ID」を設定すると、同じApple IDを使用するiPhoneやiPadなどのデバイスの情報でも「メール」「連絡先」「カレンダー」「リマインダー」「メモ」など、更新された情報を全デバイスで最新の状態に保つことができる。例えば、Macで作ったり編集したりしたメモが、iPhone、iPad、iPod touch上にも現われる。
なお、すでにiOSで使用している人には馴染みのある機能かもしれないが、リマインダーはリマインドする時間だけでなく場所も設定できる。「会社に着いたら○○さんへ連絡」といったリマインドを設定できる。
従来の「iChat」に代わる機能で、MacでもiOSで使用されている「iMessage」を利用できる。同じApple IDを使用しているデバイスでメッセージは同期される。なお、2月にベータ版として先行リリースしていたが、今回のリリースとともに正式版になった。ベータ版から特に機能的な変更はないとのことだ。
通知の表示が一元化され、メール、カレンダー、メッセージ、リマインダーやシステムアップデート、さらには他社製アプリケーションからの通知や警告も簡単に確認できる。iOSの右上にあるマークをクリックするか、どの状態からでもトラックパッドの右端(ギリギリか、パッドを超えるぐらいの位置)から2本指で左にスワイプすると一覧が表示されるので、重要なものを見逃すことは少なくなりそうだ。
OS X Mountain Lionに標準搭載される多くのアプリケーションには「共有ボタン」がついており、写真やビデオ、そのほかのファイルをメールやメッセージ、AirDropで共有できる。Safariからリンクを送りたい時や、メッセージで受け取ったり送信したりした写真をFlickrにクリップすることも簡単だ。
音声入力といえば、メモやワープロのようなインターフェースを想像するかもしれないが、メッセージ機能など文字を入力できる場所ならどこでも、声で入力ができる。初期設定ではファンクションキーを2回クリックすると、音声入力モードになる。
現在のTwitterと同様に、Facebookもアプリケーションとの連係機能が強化される。またFacebookにいる友だちやそのプロフィール写真など連絡先に追加されるほか、通知センターから投稿をすることもできるようになる。
検索キーワードの入力とウェブアドレスの入力が1つになり、シンプルな検索フィールド検索できるようになった。また、開いているすべてのタブを表示し、ピンチインするとタブがSafariの中で小さく表示される。さらにこれらを2本指のスワイプするとページを切り替えられる。
この秋に予定されているiOS 6になると、開いているタブをデバイス間で共有できるようになる。
Macがスリープ状態になっている時でも、Power Napによってメールからフォトストリームまで、自動的にアップデートしてくれるようになる。Macが電源に接続されている時は、ソフトウェアアップデートもダウンロードして、Time Machineでバックアップを作成するという。ただし、この機能が利用できるのは、2011年以降に発売されたMacBook AirとRetina対応のMacBook Proのみ。なお、最新のMacBook ProでHDDモデルをFlashストレージにカスタマイズしていたとしても、パワーマネジメントシステムが異なることから対応していないとのことだ。
Macの画面を最大1080pでストリーミングし、Apple TVを介してHDテレビに簡単にワイヤレスで配信できる。また、音声もAirPlay対応のレシーバやスピーカに送信できる。
ワンクリックでハイビジョンテレビに映し出せるため、会議室でプレゼンテーションを行ったりしたり、自宅でテレビでウェブページを見たりして楽しめる。また、次に説明する「Game Center」対応のゲームなら、大画面でMac、iPadなどのデバイスで楽しむことができる。
iOSデバイスで先に導入されたソーシャルゲームネットワークがMacにも登場。Mac、iPhone、iPad、iPod touchを使っている友達の誰とでもライブ感あふれるマルチプレーヤーゲームが楽しめる。例えば、「Sky Gamblers:Air Supremacy」(ナムコ)はMac、iOS版ともに用意されており(ぞれぞれ450円)、MacとiPadなどを使って対戦できるほか、AirPlayミラーリングを使って大画面で対戦するといったこともできる。なお、Mac/iOSともに用意された対戦ゲームはまだ少ないが、今後増えるだろうとしている。
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