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「Android」でブラウザの自由競争を容認するグーグル--ブラウザ市場における競争の行方 - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年07月25日 07時30分
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 Safariとの差別化は今でも可能である。例えば、Chromeはタブを上部に配置する独特の外観や、ウェブパフォーマンスを押し上げるGoogleの「SPDY」テクノロジ、ユーザーのGoogleアカウントを通してタブやブックマークなどの設定を同期する機能を備えている。

 チームメンバーのMike Pinkerton氏はメーリングリストメッセージの中で、「iOS版Chromeは、『App Store』によっていくつかの非常に大きな技術的制約を課されている。例えば、レンダリングに内蔵のUIWebViewを使わなければならない、『V8』を使えない、シングルプロセスモデルを使わなければならないといった要件がある」と述べた。V8はChromeのJavaScriptエンジンだ。そして、シングルプロセスモデルは、Googleがそれぞれのタブを個別のメモリコンパートメントに分離するというアプローチを断念しなければならなかったことを意味する。ただし同氏は、Chromeのテクノロジのうち、Googleが適用できた分野についても列挙している。

 別のChromeメンバーであるPeter Kasting氏はディスカッションのコメントで、iOS版Chromeの好ましくないJavaScriptベンチマークについて、もっと具体的な話をしている。

 「われわれは、特に『Omnibox(検索とアドレスボックスを統合したChromeのバー)』と上位の検索結果に関して、積極的にプリフェッチ機能をサポートしている。それは、ベンチマークで計測することが比較的難しい実際の使用体験に、本当に大きな効果がある」(Kasting氏)

 しかし、それはChromeのすべてを網羅してはいない。Android版ChromeでThis Exquisite Forestを訪問すると正常に動作するのに、iOS版Chromeだと警告メッセージが表示されるのはそのためだ。

 この問題には、MozillaのRobert O'Callahan氏が言及している。「このようにChromeのブランド力を弱めてしまうリスクを負うということに、私は驚いている。『Chrome』とはいったい何を意味するのかということについて、ウェブ開発者やユーザーの間で多くの混乱が起きるだろう。『Chromeに搭載されている』機能の多くは、iOS版Chromeには搭載されない。『Chromeで動作する』サイトのいくつかは、iOS版Chromeでは動作しない」(O'Callahan氏)

 Kasting氏はそうした問題の存在を認める返答をしている

 「ウェブ開発者の断片化の影響は、間違いなく深刻な懸念となっている。そして、iOS版Chromeの全体的な利益はコストを上回る、とチームの全メンバーが感じているわけではない」(Kasting氏)

 別の課題もある。iOSでは、サードパーティー製ブラウザをデフォルトのブラウザとして設定することができないため、例えば、Safariを使わずに電子メール内のウェブアドレスを開きたい場合、コピー&ペーストが必要になる。

Android版Firefox

 すべての機能を搭載したサードパーティー製ブラウザが認められている場合も、簡単ではない。Mozillaはより高速なネイティブインターフェースを使用するために、Android版Firefoxプロジェクトをやり直さなければならなかった。そして、同ブラウザはプレインストールされていないため、ごくわずかなユーザーにしか使われていない。

 全面的な見直しが図られたAndroid版Firefoxは先般、Androidスマートフォン向けに公開されたばかりだ。Androidタブレットではベータ版のみが公開されているが、筆者はこれまでのところ、それを気に入っている。筆者の科学的とは言えない目とNexus 7タブレットの組み合わせでの体験から判断すると、ページの読み込みは速い。パン&ズームもスムーズである。同期実行後に筆者のブラウズ履歴を取り込んでからは、気になることはほとんどなかった。ただし、いくつかの問題もある。ユーザーマルチタブインターフェースには改善の余地があるし、筆者がFlickrにログインしようとするとブラウザがクラッシュした。

 このように、Firefoxも完璧ではない。しかし、それは現実に存在するし、少なくともGoogleは、このようなほかのブラウザにチャンスを与えている。

 Googleのアプローチから恩恵を受けるのは、OperaやMozilla、Dolphin、「Maxthon Mobile」「UC Browser」、そのほかのすべてのAndroid版ブラウザの開発元だけではないのではないか、と筆者は考えている。

 ブラウザ市場の現在の活況を考慮すると、Chromeもまた、競争から恩恵を得ることになると筆者は思う。

「iOS」版「Chrome」は、JavaScriptやHTMLの処理などを行う際にChromeの通常のブラウザエンジンを使用しないが、ウェブの反応速度を高める「SPDY」のサポートなどのChromeのネットワーク機能は利用している。
「iOS」版「Chrome」は、JavaScriptやHTMLの処理などを行う際にChromeの通常のブラウザエンジンを使用しないが、ウェブの反応速度を高める「SPDY」のサポートなどのChromeのネットワーク機能は利用している。
提供:screenshot by Stephen Shankland/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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