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クリエイターの才覚

「もし1人になってもサイト運営できる人」--クックパッドが求めるクリエイター像 - (page 2)

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クリエイターなら「ものを見せてくれ」

 「知名度もなかったし、クリエイターが技術をやれる会社ではなかったですよ」――井原氏は、入社時のクリエイターが10名ほどだった頃をこう振り返る。

 当時は、会社にあるキッチンで食事を提供できることを理由に、開発力が長けている他社と勉強会を開催したり、その場に著名なクリエイターをゲストとして招くなどしていたそうだ。状況が変わったのは2年ほど前にRubyを学んでいるクリエイター界隈で人気の開発者がクックパッドに入社したころ。「あの人が行くような会社なんだ」とクリエイターからの信用が高まったという。

  • クックパッド社内のキッチン

 徐々にクリエイターが目指す会社になってきたクックパッドだが、その採用プロセスでもやはり技術力の高さが重要視される。面接に進む前の書類選考の段階でアウトプットを提出してもらう。過去の制作実績や「GitHub」のアカウントを確認することが多いそうだ。最近は特に、GitHub上でオープンソースのプロジェクトに貢献しているか、実績をまとめているかなどがポイントになる。

 井原氏は「作ることが本当に好きなら、プライベートでももの作りしていると思うんです。普段作っていないのに“開発が好きなんです”と言われても、それは嘘だろうと。クリエイターならものを見せてくれ。学歴見るよりもコードを見た方が早い。履歴書の出来ばえにこるより、ものをピカピカに磨いてほしい」と、クリエイターの技術力やもの作りに対して高い水準を求める。

  • 池田氏(左)と井原氏(右)

 また履歴書などについては「名前で検索してFacebookやTwitterなどその人に関連する情報を確認することはあります。検索して何も引っかからなかったりすると、この人はインターネット好きじゃないのかなと思ってしまいます。履歴書はほとんど見ないですね」とあまり重要視していない。

 面接も、過去に携わった案件の詳細や好きなサービスなど、開発に関する会話が中心で、その場で簡単なコードを書いてもらうこともあるそうだ。その上で、その人のことを好きになれるか、プロジェクトが困難を迎えているときに一緒に頑張れるか、など人間性を確かめる。

 最近ニーズが高まっている新しいスキルはUIデザイン。デザインとプログラミングの中間領域のようなスキルセットが求められるため、まだまだ少ないそうだ。また、女性のクリエイターが社内に少ないのも課題。ユーザーとしてサービスを自分の事柄として見られるクリエイターがいたほうがいいという。

“リアル”の世界にインパクトを与える

 クリエイターがクックパッドに対して求めていることもある。それは、“リアル”の世界に対するインパクトだ。池田氏は「いま自分が毎晩食べている食事はクックパッドでできています。それを栄養源に仕事をする。そんな自分の仕事が生活にそのまま跳ね返ってくるサイクルにとてもやりがいを感じます」と語る。

 ちなみに池田氏の奥さんはクックパッドのヘビーユーザーで、レシピが掲載されている油淋鶏が大好物だそう。たまに奥さんが料理を作っている様子を台所で眺めては「こんな使い方しているんだ」という発見があるという。

  • 「かんたんもう一品検索」

 クリエイター本人がユーザーの自宅を訪問し、台所で料理している様子を観察することも少なくないという。ユーザーがどういう環境で料理をし、クックパッドをどのように使っているかを自分の目で確かめるためだ。基本食材で手早く簡単に作れる副菜のレシピを検索できる「かんたんもう一品検索」は、訪問中に得た「主菜はある程度決めているが、つけあわせの副菜選びに苦労している」という気づきから生まれたサービスだ。

 会社の会議室にユーザーを集めるグループインタビューは他社でも行われているが、ここまでユーザーの生活に入りこんでサービスのフィードバックを得る会社は少ないのではないだろうか。

 最後に、池田氏にともに働きたいクリエイター像を聞いた。「ウェブクリエイティブの業界においては、意見や考え方が先行しやすい業界。だからこそ、口ではなくものでポリシーが伝わってくるような人と働きたい。そして自ら問題点とそれに対する改善点を見出し、受け身にならずにやれるような人がいいですね」(池田氏)。

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