米国時間7月12日午前中に開催された米Yahooの年次株主総会において、Ross Levinsohn氏が新たな最高経営責任者(CEO)として発表されなかったことは、Yahooウォッチャーらにとってがっかりするニュースであったはずだ。なお、Levinsohn氏は5月から暫定CEOを務めている。
Levinsohn氏は、過去にCEOを務めたScott Thompson氏やCarol Bartz氏とは異なり、メディア業界での経験を有している。こういった経験は、実質的にメディア企業であるYahooを経営していくうえで役に立つはずだと考える人も多いだろう。しかしYahooはここしばらくの間、そういった考え方とは無縁となっている。Bartz氏はかつてAutodeskのCEOを務めていた人物であり、Thompson氏はオンライン決済企業であるPayPalの経営を任されていた。このため、Terry Semel氏が2007年にCEOを辞めて以来、メディア経験の豊富な人物がYahooのトップに立つのはLevinsohn氏が初めてである。
しかし、Levinsohn氏がCEOに任命されなかったことを最初に報じたAllThingsDによると、Yahooの取締役会はまだ他の候補者も含めた検討を続けているという。Levinsohn氏が正式なCEOに就任するという予想は、7月6日にHuluのJason Kilar氏がYahooの次期CEOの座を断ったことが明らかにされて以来、各所でささやかれていた。
Levinsohn氏は、あらかじめ用意していた株主へのコメントのなかで、同社のこれまでの1年間が「大きな変化のあった年」であり、「重要な進歩」を遂げた年でもあると述べている。
Levinsohn氏は株主との質疑応答のなかで、Yahooは「コンシューマーにふさわしいエクスペリエンスを見つけ出すという作業において確固たる実績を残してきた」と述べたうえで、「特定分野や特定領域で成長の兆しが見え始めている」と述べている。また同氏は、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)からの質問に対して、Yahooのホームページモジュールにおける1日当たりのクリック数は15~40%増加していると答えている。
今回の総会が恒久的なCEOの肩書きに対する実地試験であったとすれば、Levinsohn氏はさまざまな質問(友好的なものもあれば、そうでないものもあった)をうまくさばいたと認められるだろう。
同氏は、動画や記事へのリンクをクリックした際のユーザーエクスペリエンスについての不満を述べた株主に対して、「(そういったことの改善には)時間がかかるものだ。われわれは、ユーザーの行動を理解するために全力を傾けている」と述べるとともに、「もう1度チャンスが欲しいとお願いするのみである」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」