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ピクサーの新しいシミュレーション技術--「メリダとおそろしの森」で目指したもの - (page 2)

Daniel Terdiman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年07月14日 07時30分
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髪の毛と毛皮

 Pixarの最高技術責任者(CTO)で、「メリダとおそろしの森」ではスーパーバイジングテクニカルディレクターを務めたSteve May氏によれば、この新作の制作にあたってアニメーションチームと技術チームが直面した大きな課題は2つあったという。1つは主人公であるメリダの長くて赤い巻き毛、もう1つは物語の中で極めて重要なクマたちの毛皮だ。

 May氏は米CNETに対して、Pixarのアニメーターは新しいツールを自在に扱うことで、メリダが体を動かしたときの髪の毛の動きをより一層本物らしくできたと説明した。「メリダの髪は長い巻き毛で、表情豊かだ。これは重要なことであり、彼女の性格の表れである」(May氏)

 従来のソフトウェアでは、メリダの髪を本物らしく見せるという役割を果たせないことが問題だったとMay氏は説明する。間違ったやり方をすれば、シミュレーションした巻き毛はほどけかけて形が崩れてしまうか、ジェルで固めたようにごわごわになってしまうという。目指したのは、軟らかくてカールした髪にすること、そしてカールした部分の1つずつが、メリダが動き回れば正しく弾み、髪が何かにこすれればきちんと互いに影響し合うようにすることだった。

 May氏は、この新しいソフトウェアで非常に多くの作業が行われたと語る。それによってPixarは、観客の注意をストーリーからそらすようなことのないように髪の毛と毛皮の両方を仕上げられたとしている。しかしChung氏によれば、そこまで到達するだけでも1年以上かかったという。さらに、ソフトウェアを微調整して問題を解決できるようになるまでには、メリダの巻き毛が勢いよく広がったり、メリダの馬であるアンガスが走ったときにその毛がたなびいたりする様子を観察する日々が果てしなく続いた。

衣服

 もう1つの課題は、メリダの父であるファーガス王が着ている何枚もの衣服だ。スコットランドの王であるファーガスの衣装は、何枚かの布、鎖かたびら、革の服、胴よろい、革ひも、武器など、合計8層にもなった。さらにその上に、毛皮が縫い付けられたマントを着ている。Chung氏は、Pixarが(おそらくほかのスタジオもそうだが)それほど複雑なものを作ろうとしたのは初めてだったと語る。そして、そうした層がすべて互いに適切に作用し合わなければ、観客には分かってしまうだろう。「衣服としては、業界全体とは言わないまでも、Pixarが今まで取り組んだ中では一番難しいものだ」とChung氏は語る。

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