ビジネス書の中には、マッキンゼーの考え方や分析方法を説くものは多い。また著名なビジネスパーソンには、マッキンゼー出身者が多い。なぜそうなのか。マッキンゼーとはどのような会社なのか、そこで働く人はどのような人なのか、興味が湧くのも当然だ。その好奇心を満たしてくれるのが、かつてマッキンゼーに勤務し、現在は自らの会社を運営している著者の人生が綴られた本書だ。
著者が、学生時代にマッキンゼーの内定を得るまで、会社の中で悪戦苦闘しながらも高い評価を得るまで、MBAを取得するまで、さらにマッキンゼーから外に出て会社を設立するまでと、大きな節目を何度も迎えながらも、乗り越えて学んでいく姿はダイナミックで面白い。著者の経験談の中に、マッキンゼー流の思考法のエッセンスが盛り込まれており、まるでビジネス小説を読んでいるようだ。
マッキンゼーのことを知らない人が抱きがちな誤解を解きたいという思いで書かれている本書だが、今、なにがしかを成し遂げている人でも、そこに至るまでの道のりは平坦ではなく、もがきながら乗り越えてきたのだということが分かる。「自分とは違う」と見てしまってはもったいない。やる気を起こさせてくれる一冊だ。
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