Googleの「Nexus Q」には、Appleにはない、小さいながらも重要な特徴が1つある。
それは、このGoogleの家庭向けワイヤレスメディアプレーヤーの底面にある、「Designed and Manufactured in the U.S.A.(米国内で設計および製造)」という表示だ。
Appleの製品にある、「Designed by Apple in California. Assembled in China.(カリフォルニア州でAppleが設計。中国で組立)」という表示と比べてみてほしい。
実際、The New York Timesが指摘するように、Nexus Qのような消費者向けハイテクデバイスがアジア以外の場所で作られるというのは、ほとんど聞いたことのない話だ。
例外がないわけではない。Appleはかつて「Mac」の組み立て作業をカリフォルニア州で行っていた。またSteve Jobs氏のNeXT Computerは自社のコンピュータを、やはりカリフォルニア州で製造していた。
1990年代にはCompaqとIBMも、それぞれヒューストンとノースカロライナ州にある広大な施設でPCを組み立てていた(Compaqはマザーボードですら米国で製造していた)。
この10年の間に、そのエコシステム(部品メーカーと組立作業)は米国外に移行していったが、移った先はほぼ例外なくアジアだった。またAppleは現在、中国で製造を行う企業の代名詞的存在となっている。
しかし、そうした状況も変わっていくかもしれない。The New York Timesは、Boston Consulting GroupのディレクターであるHarold L. Sirkin氏の次のような発言を引用している。「時給58セントでは、国内で再び製造するというのは不可能だが、中国沿岸部の最近の賃金である時給3ドルから6ドルであれば、その方程式はにわかに変わってくる」(Sirkin氏)
Nexus Qは、シリコンバレーにある工場で生産されている。
マイナスの面もある。299ドルという価格は、例えば、99ドルの「Apple TV」よりも高価だ。GoogleはThe New York Timesに対し、この高い価格設定の理由の1つとして、米国内での製造コストが高いことを挙げている。
しかし生産台数が増えれば、そうしたコストは下がるはずだ。
Appleに言いたいのは、Googleにとって米国内での生産が可能ならば(そしてゆくゆくはコストを下げられるのであれば)、Appleにもできるだろうということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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