キャンバスマップルは6月26日、iPhone向けカーナビゲーションアプリ「マップルナビS」の販売を開始したと発表した。価格は1400円で、7月13日まで半額で購入できるキャンペーンを実施する。
マップルナビSは、同社として初のコンシューマー向けのナビ製品で、これまで提供してきた純正ナビなどと同等の本格的なカーナビゲーション機能を備えるほか、端末に地図情報を保有する「スタンドアロン型」により、通信のない環境でも使用できること、昭文社の電子書籍アプリとの連携を特長とする。
地図アプリといえば、アップルがWWDC 2012で発表したiOS 6に搭載される地図アプリ機能が記憶に新しい。「カーナビアプリは終わった」。そんな声も聞こえてくるとしながら、「ご心配なく、と力強く言わせていただきたい」と──キャンバスマップル代表取締役の山本幸裕氏は強気だ。
マップルナビSの“S”は、「simple」「smart」「surprise」の3つからとったものという。道路地図シェア86%を誇る「スーパーマップル」をもとにした見やすい地図に加え、全国47都道府県主要部の「ぬけみち」データを収録。スタンドアロン型のため、ルート検索やリルートなども通信状況に問わず行える使いやすさと安心感などがその理由だ。
「通信型のサービスに比べて、スタンドアロンのメリットは揺るがないと思っている」と自信を見せる。
さらに、「おそらくiOS 6は合成音声だが、マップルナビSはナチュラルな女性の声でのナビゲーションができる」とこれまで培ってきたカーナビの経験もアピールする。
また、電子書籍と連携し、ナビの地図から周辺の店やスポット情報を呼び出せるほか、逆に電子書籍アプリで探した店やスポットのルートを簡単に転送し、ナビゲーションさせることも可能だ。
VICSには対応していないが、「コンセプトはシンプルでお求めやすい価格。(VICSは)ロイヤリティもあるので、省いた形にした。渋滞したときのために、抜け道の情報、全国の情報が入っているので、それを見てほしい」とした。
マップルナビSのデータは、2011年末時点で判明している情報をもとに作成したもので、新東名そのものの情報は入っているが、検索時の新東名の料金情報は入っていないという。新東名に関しては、現時点では2012年秋版として無償バージョンアップで対応するとしている。
今後の地図データは、2014年の春までは年2回更新する。その後は地図更新は行われないが、さらに1年間、iOSのアップデートに対応するなどサポートは継続し、計3年間は使えるようにするという。「バージョンアップの補償期間は区切る」としている。
スタンドアロン型のため、アプリの容量は1.8Gバイト弱。ただし、インストールには約2倍の容量が必要としており、4Gバイトの空きが必要としている。当初はiPhoneに合わせたもので、iPadの最適化はされていない。今後のアップデートで対応予定という。Android版向けは検討中としており、時期は未定という。
昭文社取締役の内田次郎氏は、同社の強みとして(1)地図コンテンツの保有、(2)DBの保有、(3)内製化できる技術者の保有、(4)リアル媒体、出版物を持っていることを挙げ、「この4つが他に類をみない強みだろう。旅やおでかけは、誰しもが思い入れとして残るもの。幸せな記憶のあるお手伝いをする。スマートフォンや、ウェブ、デジカメなど、あらゆるツールで旅行のサポートで実践させていきたい」と語った。
2012年からはAndroid向けにも提供を開始し、スマートフォンアプリとしては「まっぷるマガジン」「ことりっぷ」シリーズなど36タイトルをラインアップしており、近いうちに40タイトルにするという。
なお、キャンバスマップルは昭文社の100%子会社で、2006年9月に設立。組み込み型ナビアプリの開発会社としてスタートし、現在はアプリなどを含む昭文社グループのデジタル事業を担う。マップルナビSは、1年間で10万ダウンロードを目指す。
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