NASDAQの最高経営責任者(CEO)Robert Greifeld氏は、NASDAQ職員らの「高慢さ」と「過信」が、5月のFacebookの新規株式公開(IPO)が混乱する一因になったと語った。
Greifeld氏は米国時間6月24日、NASDAQは5月18日のIPOに先立ち取引システムに多数の注文がなされることはシミュレーションしていたが、IPO直前に多数の注文キャンセルが発生することには無防備だったと語った。同氏はスタンフォード大学のロースクールで開催された企業経営者の会議で、「テストではキャンセルがここまで増加する可能性を想定していなかった」と述べた。The Wall Street Journalが同会議に関する記事の中で報じた。
NASDAQ上層部は先ごろ、FacebookのIPO開始が30分遅延したことでトレーダーの間に混乱が生じた後、IPOを決行したことについて後悔を示していた。トレーダーからは、Facebook株の注文の変更やキャンセルを確認できないとして早くも太平洋標準時間の午前4時30分から苦情が出始めていた。同日午前中に、一部のトレーダーからは取引完了の通知がNASDAQから送られて来ないとの声が上がっていた。
Greifeld氏は、同社の技術部門が保証したことを上層部が信頼し過ぎたと述べた。
また、「相互牽制が十分ではなかった」「このプロセスにおける十分な経営判断力がなかった」と述べた。
Greifeld氏自身はIPO当日、NASDAQ市場に影響を与えている問題の大きさを認識していなかったとされる。同氏は5月18日、取引開始のベルをリモートで鳴らすのに立ち会うためにシリコンバレーに飛び、取引が30分遅れで開始した後、問題は終わったと考えた。
NASDAQに投資家からの怒りの電話と大量のキャンセル注文が殺到している時、Greifeld氏は東海岸に戻る5時間のフライトの最中で、電話もインターネットも使えなかったと、The Wall Street Journalがこれまでに伝えている。
Facebookは6月に提出した申し立ての中で、IPOの際に生じた取引システムの障害とNASDAQ側の対応が、数十人の投資家による訴訟を招いた株価下落の一因となったと主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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