Facebookは米国時間6月15日に提出した準備書面の中で、5月の新規株式公開(IPO)初日に発生した取引システムの不具合をはじめとするNASDAQ側の不手際が同社の株価下落を招き、投資家による多くの訴訟につながったと主張している。
この主張は、40件ほどの訴訟をウォール街があるニューヨーク市の米連邦地方裁判所で1件に集約することを求めてFacebookが行った申し立ての中でなされたものだ。これらの訴訟でFacebookは、IPOに先立ち、広告事業の成長が予想を下回ったために売上予測を引き下げることにしたが、これを一般に開示しなかったことによって法律に違反したとされている。投資家らは、Facebookがこの情報を一部のアナリストだけに開示し、これらのアナリストから情報を得た一部の機関投資家はその情報に基づいて行動できた、と主張している。
Facebookは準備書面の中で、売り上げが減少する可能性は米証券取引委員会(SEC)に提出した書類で言及されていたもので、これは報道で広く取り上げられており、また、IPO登録書類で売上予測の見直しを開示する必要はなかった、と述べている。同社はこういった行為について、慣習的なものであり、いかなる規則にも違反していないと主張している。さらにNASDAQを名指しで批判し、同証券取引所の対応がIPO以降の株価を押し下げる要因になったとしている。
Facebookの準備書面には次のように書かれている。「報道で広く伝えられているように、Facebook株の取引開始はNASDAQのソフトウェアシステムに問題が生じたことで遅延し、このため円滑な取引が損なわれ、株価水準も下がった。報道から分かるのは、NASDAQのさらなる取引上のエラーが『売り注文の連鎖に拍車をかけた』ため、『投資家らが突如としてFacebookに背を向けつつあるように見えた』ほか、一部のヘッジファンドが『この混乱のためにポジションをすべて手放す』結果になった、ということだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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