既報の通り、ヤフーとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は6月19日、戦略的資本・業務提携について基本合意したことを発表した。CCCが設立する新会社にヤフーが15%出資するほか、来春にも両社が発行してきたポイントを「Tポイント」に統一する。
CCCが展開するTポイントカードは、2012年5月末時点で88社・4万6548店舗で利用することができる。また1年に1回以上利用するアクティブ・ユニーク会員は約4045万人で、日本の総人口の29.2%を占める。ポイントに関与した売上金額は2012年3月期通期で2兆円を超えているという。
両社は2010年7月に、ポイントサービス事業を中心とした包括的業務提携を締結しているが、さらなる事業拡大を目的に、Tポイント事業を新設分割した新会社を10月に設立するという。新会社の社長にはCCC代表取締役社長の増田宗昭氏が、取締役にはヤフー代表取締役社長の宮坂学氏が就任する。
業務提携によって、ヤフーでは「Yahoo!ショッピング」など、Yahoo! JAPANのサービスで付与される「Yahoo!ポイント」を、CCCが提供するTポイントに切り替える。また、CCCはネット上でTポイントサービスが受けられる共通ログインID「T-ID」を、「Yahoo!JAPAN ID」に統一する。
さらに、ヤフーが展開するジオサービス「Yahoo!ロコ」と、CCCの地域代理店を相互活用することで、Tポイント提携店舗網の拡大を狙うほか、Yahoo! JAPANの媒体力を活用し、既存のTポイント提携店舗への送客拡大を図るという。
同日の記者発表会で登壇した増田氏は、CCCとして大手ガソリンスタンドやコンビニ、地方の美容院やクリーニング店などと提携することで、リアルでのTポイント提携店舗数を拡大してきたとする一方で、ネット上でのTポイント利用を望む声も多かったと説明。「顧客価値強化の方向性についてヤフーと組むことで、爆発的に顧客に支持される共通ポイントになるのではないか」と期待を寄せる。
続いて登壇した宮坂氏は、ヤフーとしてこれまで、オフィス用品通販大手のアスクルや、SNS「Mobage」を展開するディー・エヌ・エーとの提携によって、ネットにおけるコマース事業を強化してきたとし、「いままであまりやってこなかったO2O(Online to Offline)市場にもチャレンジしようということで今回の提携にいたった」とコメント。ヤフーとCCCが組むことで「最強タッグになった」と自信を見せる。
また、既存のポイント市場にはオンラインとオフラインのそれぞれに課題があると指摘。オンラインはIDとポイントがバラバラであること、オフラインではポイントカードが氾濫していることを挙げ、「オンラインとオフラインの境界線をなくして、1つのID、1つのカードでいろいろなところで使えて貯まるという世界観を実現したい。オンラインでもオフラインでもナンバーワンのポイントプログラムを作っていきたい」と語った。
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