SNSプロモーションの現場

Facebookの目的は「もう一度お客様と向き合うため」--日本航空(前編) - (page 2)

全4部署からFacebookチームを形成、運営はすべて社内

--Facebookページの運営に対して、社内でどんな取り組みをされましたか。

 JALがSNSに参加する理由や運営体制、緊急連絡網、コメント対応フローなどを話し合い、投稿体制と内容から、想定問答集、ソーシャルメディアポリシーなどかなり綿密に整理してまとめました。実際始めてみると、活用するケースはあまりありませんが、初めてのSNSへの参加ということもあり、万全の準備を行う必要がありました。

  • Facebookチームによるはじめての書き込み。2011年4月5日

--Facebookページの運用はどのような体制で行われているのでしょう。

 投稿を担当するFacebookチームは全部で10名弱で、うち4名ぐらいが中心となって活動しています。メンバーは、顧客マーケティング本部の顧客戦略部とWeb販売部のメンバーがメインで、マイレージ事業部と宣伝部の人間も関わっています。

 いずれもほかの職務と兼任で専従者はいません。それぞれ担当している領域が違うため、うまくバランスを取りながらやっています。また必要に応じて、お客さまサポート室、広報部、法務部の3部署がそれぞれの観点からバックアップする体制をとっています。投稿、モニタリング、エンゲージメント率の計測まですべて社内の人間のみで運営しています。

--投稿内容はどのように選定されていますか。

 Facebookチームで定例会議を週1回実施し、2週間先までのコンテンツを決めています。FacebookではJALのありのままを社員の言葉で伝えることがポリシーです。カテゴリやテーマに関しては、エンゲージメント率のレビューをしていますが、JALの全体を見ていただくことが目的なので、エンゲージメント率だけにこだわらず、バランスよく偏らないように選定しています。

  • 宣伝のみの書き込みはNG。すべての投稿には関わった社員の想いがその人自身の言葉で書き込まれている

宣伝のみはNG、すべての投稿に社員の想いを乗せる

--ネタ出しはFacebookチームが行っているのですか。

 空港、客室、運航、整備など各部門を所管する本部に窓口となる担当者を設置して、担当者経由で情報を収集しています。また、投稿ネタを広く募集できるようFacebook専用のメールアドレスも開設しました。Facebook専用メールアドレスは業務連絡や社内報を活用して社員に周知しています。

--運用ルールは設けていらっしゃいますか。

 投稿は営業日1日につき1~2回を基本としています。双方向のコミュニケーションをすることが目的なので、プロモーション目的だけの投稿はしないという点を共通認識にしています。

 例えば国内外の旅行ツアーについて投稿をしたいのであれば、ツアーの紹介だけという投稿はNGです。しかし企画者がそのツアーに対する想いや背景を紹介するのであれば、掲載します。もちろんその中には告知ページのURLを掲載しています。

 各投稿に対するお客様からのコメントに関しては、投稿を担当した部が返信するのが基本ルールです。必要に応じて関係部署と調整しながら行っています。

後編へ続く。

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