オランダに本社を置く電機メーカー「ロイヤル フィリップス エレクトロニクス」の日本法人「フィリップス エレクトロニクス ジャパン」(フィリップス)。世界100カ国以上で事業を展開するグローバル企業は、2010年に全世界の拠点でSNSアカウントの大幅削減を実施したという。
フィリップスで、オンライン事業全般を統括するカントリーインターネットマネージャーの高橋淑恵氏に、アカウント削減に至る経緯とSNSの運営手法、今後の取り組みについてお話を伺った。
当時、トップラインからグローバル全体でSNSに力を入れていこうという指示が出ていたんです。それまでSNSを含むウェブサイトは、低コストでできる広報宣伝活動の一つという位置づけでしたが、SNSの力が強くなっているということに気が付き、きちんと投資していく方向に転換しました。
ただそれまでに、各国それぞれでSNSに対してアクションを起こしていたので、アカウントも様々。そこでYouTube、Facebook、Twitterの各SNSにおいて、アカウントの数、それに付いているファン数、ポスティング状況を図にしてまとめました。するとファンもついていてきちんとポスティングされている、ファンは付いているけれどもなんのアクションも起こしていない、ファンもついていなければアクションも停止しているなど、それぞれのアカウントの状況が見えてきました。これらのアカウントを統廃合して、きちんとポスティングされ、ファンも付いているアカウントだけ残すプロジェクトを実施しました。
2011年1月の時点で、Facebookは133→56、Twitterは89→36に減りました。YouTubeはその際62→20へと統廃合しましたが、さらに減らして、現在全世界でアカウントを「フィリップスチャンネル」として1つにまとめようとしています。
アカウント数1と聞くとかなり大胆な削減に聞こえますが、動画はテロップをつければどの国でも見られますし、音楽だけ流れているようなコンテンツであれば、全世界共通で見られます。それなのにアカウントが分かれているのはすごくもったいないんですね。
新たなフィリップスチャンネルでは、日本語、英語などアクセス地点を判別して言語を表示するほか、日本からアクセスすれば日本のCMを優先して表示します。これらはすべて自動で表示されるため、ユーザーが言語を選択する必要もありません。アカウントをひとつにまとめながらローカライズすることで、YouTube上のお気に入り登録数を増やしていきたいと思っています。早ければ1、2カ月以内に移行します。
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