Facebook テイラーCTOインタビュー:開発体制、システム、モバイルを語る - (page 2)

岩本有平 (編集部) 別井貴志 (編集部)2012年06月07日 09時00分

 2年前に東京に小さいオフィスを立ち上げました。これはカリフォルニア以外では初めての開発拠点です。当時は他の国と比較して日本ではFacebookが知られていませんでした。そこで、日本向けにどういったフィーチャーを提供していくべきかを考えました。

--日本語と英語のような多言語での名前登録については日本で開発したと聞いています。海外の開発拠点との連携はどのような体制になっていますか。

 友人を検索してFacebook上で友人になり、情報をシェアするといったFacebookのコアとなる機能は各国で共通です。ですが、日本独自のものとして、血液型を入力できる項目があります。これは日本人が他の国よりプロフィールとして血液型を重視しているからですね。

 このように、各国ごとに必要な機能の提供については、プロダクトマネージャーや国ごとのエンジニアが分担して検討しています。


--名前については、各国でデータの持ち方が違うと思います。またFacebookでは名前に加えて、ユーザーの写真などが掲載されています。本人認証についてはどのように行っているのでしょうか。

 広い視点での回答になりますが、スパムの処理と同様の方法です。ユーザーレポートをもとに、怪しいユーザーの情報をシステムに流し込み、パターンマッチを行うことで、疑いのあるユーザーをある程度検索できる状況を作ります。それを社内でレビューして、懸念があるかどうか判断します。また、「Site Integrity」といってサイトの統一性を観察できる仕組みを持っています。

--モバイルについて教えてください。ウェブもスマートフォンアプリも今のところまだまだ十分ではないと思います。「シェア」など、PCで利用できる基本機能が利用できませんし、アプリは動作が重い。米国での報道では、「Facebookはブラウザを持つべき」という話もありますが、モバイルの開発は今後どう進めていくのでしょうか。

 確かにモバイルは十分な品質に至っていないことは承知しています。今後はパフォーマンスの向上にも務めていきます。

 ですが今やあらゆるモバイルデバイスでFacebookが利用できます。先進国ではiPhoneやAndroid端末でFacebookを利用していますが、たとえばナイジェリアやインドでは、フィーチャーフォンでもFacebookを利用しています。

 多彩なデバイスをベースに、どうやってモバイル技術を向上させていくのかは課題ですが、是非数カ月の状況を見守って欲しいと思います。驚くほどの技術の向上というものが見られると思います。楽しみにしていてください。

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