Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は米国時間5月29日夜、All Things DigitalのD10カンファレンスで壇上に立ち、さまざまな話題について語った。ここでは、その講演における同氏の主な発言とその様子を撮影した動画をまとめた。
Cook氏は、Appleがテレビセットに取り組んでいるのかという質問に対してはっきりと答えなかったが、テレビのエクスペリエンスについて、Appleが引き続きより良くしようとしているものであると発言している。
ほとんどの人は「タブレット」について考えるとき、Appleの「iPad」を思い浮かべる。iPadは、Appleの共同創設者の故Steve Jobs氏などがポストPC時代の先駆となるものと呼んだデバイスだ。Cook氏は警告として、「タブレットをPCとして見れば見るほど、過去の負の遺産が同製品により大きな影響を及ぼすようになる」と述べた。同氏は、過去に依存しすぎてしまうと、「結果として最高の製品を構築できなくなる」と述べた。
Appleは、音楽に特化したソーシャルネットワークの「Ping」で、同社にとって近年では珍しい失敗を犯した。その一方で、巨大ソーシャルネットワークのFacebookが独自の携帯電話の製造を検討しているとのうわさが、再び流れている。Cook氏は、「Facebookは偉大な企業だ。私は同社を非常に高く評価している。われわれは同社に大きな敬意を抱いている。われわれは同社ともっと多くのことができる、と私は考えている。この件に関しては、続報を待っていてほしい」と述べた。
Cook氏が2011年に伝説のJobs氏の後を継いでAppleのCEOに就任し、極めて大きな役割を引き受けたことは有名だ。ここで、Cook氏は、意見を即座に変えることのできるJobs氏の能力について、「天賦の才」と評し、勇気を必要とすることだと述べた。
現在進行中のプロジェクトということに関して言えば、Appleは昔から強固に口を閉ざしてきた。AppleはCook氏の経営の下で以前ほど秘密主義ではなくなるのか、という質問を受けて、Cook氏は「われわれは、製品に関する秘密主義をさらに強化するつもりだ」とすぐに言い返した。しかし、同氏は舌の根の乾かぬうちに、Appleはサプライヤーの責任や環境問題といった問題に関しては、もっと透明性を高めていく、と述べた。
Cook氏は何も明らかにしなかったが、iPhoneの音声パーソナルアシスタントソフトである「Siri」に対する将来的な変更について含みのある発言をした。Cook氏は、まだ成すべきことはあり、Appleで「多くの人がこれに携わっている」と回答している。さらに、同氏は、人々が「今後何カ月かのうちに目にするもののいくつかを本当に気に入ると思う」ことをつけ加えた。
Appleが関係している特許関連の騒動をすべて追跡するのは難しい。Cook氏は特許戦争について、革新にとって問題と考えているのだろうか。同氏は、「それは面倒な問題だ」と述べた。それ以外では、同氏はAppleが「世界の開発者」になることは意図していないという点を明確に示した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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