ソフトバンクモバイルは5月29日、2012年夏モデルとなる新商品9機種を発表した。スマートフォン4機種、フィーチャーフォン3機種、モバイルWi-Fiルータ2機種をラインアップする。すべてのスマートフォンとフィーチャーフォンが「プラチナバンド」と呼ばれる900MHz帯サービスに対応する。7月25日から開始予定だ。
ソフトバンクモバイル代表取締役社長の孫正義氏は、冒頭で「昨年の夏は震災直後で大きな発表会は自粛した。今回はいろんな機種を提供できることを嬉しく思っている」と2011年を振り返った。
ソフトバンクにおける2012年夏モデルのキーワードは“ネットワーク”だ。孫氏は、「アップルとの提携が第一歩となり、このスマホブームを牽引したという自負がある。しかし、ソフトバンクグループにおける最大の課題はネットワークのつながりやすさ。加えて、新たに重要視されているのは接続スピード」とした。
ソフトバンクモバイルは3月1日、プラチナバンドとも呼ばれるつながりやすい900MHz帯を使用する特定基地局の開設計画の認可を受けた。
孫氏は、「これまで悔しい思いをしていた。技術力が劣っていたわけでも、努力したいという気持ちが劣っていたわけでもない。電波を持っていなかったことが大きなハンディキャップだった」──と怒りと悔しさを露わにした。
念願のプラチナバンドを獲得できた今、「通常では考えられない、常識の3倍4倍のスピードで基地局の建設をしている。許認可を正式に得る前から、われわれに(電波が)来るべきだろうということで、確証はどこにもなかったが基地局を発注し、リスクをとって工事に全力を注いだ。プラチナバンドは、ソフトバンクの意地。なんといってもつながりやすくするんだ、という思いを込めて全社で取り組んでいる」と強く語った。
今回は、富士通と初のコラボレーションとなる「ARROWS A SoftBank 101F」や約4.7インチの大画面液晶を搭載した「AQUOS PHONE Xx 106SH」、ウィルコム初のAndroidスマートフォンとして、PHS(音声)と3G(データ通信)のデュアル方式を採用したスマートフォン「DIGNO DUAL」など、計12製品がラインアップする。
DIGNO DUALは、「ウィルコムがソフトバンクグループに入った最初の成果。話し放題スマートフォン。誰にかけても、どこの事業者にかけても話し放題無料というウィルコムのよさと、通信速度を1台で一気に解決した合体版のスマホ」とアピールした。
今回の端末の中でも、ひときわ力を入れているのはスマートフォンとして生まれ変わった「PANTONE 5 107SH」(シャープ製)だ。
PANTONEシリーズは、手に馴染みやすいラウンドフォルムと豊富なカラーバリエーションが特長で、これまでPANTONEとコラボレーションしたフィーチャーフォンとして人気を博してきた。
「これまで販売したのは340万台。1機種でそれだけ売れるのは、iPhone以外に考えられない」(孫氏)としており、ソフトバンクモバイルにおけるiPhoneに次ぐ人気商品だ。
「カラーは8色で、女性の手にもなじみやすい。防水、防塵、赤外線、おサイフ。日本人が好む機能が全部入りでフルカラー。これは必ず売れる。料金体系も含めて必ず売るというものに仕上げた。力を抜きがちな箱もかわいくし、思いを込めたもの。CMも力が入っている」と自信を見せる。
料金体系については、発売の直前に発表するとしているが、ほかの製品と比較して割安になる見通しだ。
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