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普及が進まない「Google Wallet」--米国における苦戦の理由を探る - (page 3)

Marguerite Reardon (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年05月31日 07時30分
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 PayPalのCEOであるJohn Donahoe氏は同社の第2四半期決算発表の際、NFCは消費者に真の価値を提供しないため、市場に旋風を巻き起こすとは思えない、と述べた。

 「(NFCの)準備が整うのはいつだろうか。その日は来ないだろう。PayPalのサービスのように、携帯電話の番号とPINによってハンズフリーで決済を行える、NFC以外の技術ソリューションが魅力的な消費者体験を提供する。そこではNFC技術を使用する必要性はない」(Donahoe氏)

 PayPalの広報担当者であるAnuj Nayar氏は米CNETとのインタビューの中で、この点を詳しく述べた。

 「歴史が証明しているのは、人々が時間や金銭を節約できるものでなければ、新しい技術が一般の人々に普及することはないということだ。NFCの技術は手間がかかる。携帯電話を読み取り機にかざす動作は、クレジットカードを機器に通す動作よりも早いわけではない。もっと長い時間がかかることもある」(同氏)

 NFCの発展を阻んでいるのは、このエコシステムだ。それは、携帯電話メーカーが自社のデバイスにNFCを追加したいと思うか、というだけの問題ではない。エコシステムは多くの点で無線通信事業者に支配されている。これまでのところ、Googleはその領域でも多くのサポートを得られてはいない。

 デバイスがNFCをサポートしている場合でも、一部の事業者は自社のネットワーク上でGoogle Walletアプリを有効にすることを拒否してきた。例えばVerizon Wirelessは、同社版Galaxy NexusでGoogle Wallet機能を無効にしている。ハードウェアとしては同機能をサポートしているにもかかわらずだ。

 無線通信事業者がGoogle Walletに参加しない1つの理由は、米無線通信市場の4大事業者のうち3社(AT&T、Verizon Wireless、T-Mobile USA)が独自のデジタルウォレットを開発する合弁事業に携わっていることだ。Isisと呼ばれるこの合弁事業は現在、オースティンとソルトレイクシティの2つの市場でテストされており、2012年中に提供開始される予定だ。

 しかし、無線通信キャリアからの支援があり、複数のクレジットカード会社と提携しているIsisでさえも、軌道に乗るのに時間がかかっている。問題の一端は、Isisも決済認証の手段としてNFC技術を利用していることだ。

 NFCを取り巻くこうした不確定な状況が原因で、モバイル決済への参入をもくろむさまざまな企業が、NFCベースのソリューションの採用を見送っている。例えば、Google WalletにおいてGoogleのパートナーであるMasterCardは、先般発表した同社独自のデジタルウォレットではNFCを採用しなかった。

 MasterCardは物理的な店舗のPOSに注力する代わりに、単純に携帯電話でのショッピングの体験を向上させた。つまり、インターフェースを合理化して、消費者が1回のクリックでモバイルウェブサイトから物品を購入できるようにした。

 MasterCardの「PayPass Wallet」サービス部門を率いるEd Olebe氏は、「NFCは将来、非常に重要になるかもしれない。したがってわれわれは、業界がNFCの諸問題をどのように解決するのか見守っている。しかし、携帯電話上の商取引に関して現時点で差し迫った問題があることを考え、われわれはその問題に対処しようと考えた」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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