スイスの太陽電池駆動型飛行機「Solar Impulse」は現地時間5月25日、燃料をまったく使わない大陸間飛行という試みにおいて、第1区間の飛行を終了した。
このソーラー飛行機は24日、モロッコを目指してスイスのパイエルヌを離陸した。同機は25日、マドリードに無事着陸し、計画されている3日間の機体整備を受けて、パイロットが交代する予定だ。
成功すると、1550マイル(約2494.5km)となる今回のフライトは、同機にとって過去最長距離となる。同機は2011年、スイスの本拠地からブリュッセルまでの最初の国際飛行を成功させている。
パイロットのAndre Borschberg氏が、Solar Impulseの最初の飛行区間を操縦した。ほっそりとした機体の同機は、重量が中型自動車ほどしかないが、翼幅はジャンボジェット機に匹敵する。同僚のBertrand Piccard氏が、モロッコの首都ラバトまでの第2区間を操縦する予定だ。
Solar Impulseのウェブサイトによると、Borschberg氏はコックピットから出て、「笑顔を見せ、足を伸ばせてとても嬉しい」ようすだったという。
「フライトは非常に順調で、気象学者のチームのおかげで、すべてが計画通りに進んだ。大変素晴らしかった」とBorschberg氏は述べた。「フライトのほとんどの時間を雲の境界に沿って飛び、雲の上に出てもかまわないことは驚くべきことだった。これによって、太陽光エネルギーの能力に抱いているわれわれの自信がさらに高まった」(同氏)
飛行機の翼幅は200フィート(約61m)を越え、これが空気力学的特性を高めている。また、この長い翼幅には1万2000枚以上のソーラーパネルが搭載され、Solar Impulseの駆動に必要な太陽光を日中に吸収し、夜間の飛行を維持するためのパワーをリチウムポリマー電池に充電する。
今回のフライトは、2014年に計画されている同機の世界一周飛行に向けた準備の中で、リハーサルとして行われた。
第1区間の飛行時間は17時間3分50秒であり、平均対地速度は時速89kmであった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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