Bertrand Piccard氏とAndré Borschberg氏はスイスの飛行場において現地時間6月26日、6年間の開発期間を経て完成した新しい太陽電池駆動型飛行機の試作機を公開した。両氏は将来的に、この新型飛行機のパイロット兼プロモーターになる。
「Solar Impulse HB-SIA」と名付けられたこの飛行機は、燃料なしで昼夜を問わず飛行できることを目的に設計されており、2009年中にテスト飛行が開始される予定だ。
翼幅は「Boeing 747」と同等であるにもかかわらず、Solar Impulseの重量は、普通の車と大して変わらない約1.7トンにすぎない。翼に設置された1万2000個以上の太陽電池が、4台の10馬力電気モーターに再生可能な太陽エネルギーを供給する。これらのソーラーパネルが日中に飛行機に搭載されたリチウムポリマー電池を充電することで、夜間飛行を可能にしている。
Piccard氏はチューリッヒに近いデューベンドルフ飛行場で記者会見に応じ、再生可能エネルギーはビジネス対象として合理的で、利益も上げられることを証明するのが太陽電池駆動型飛行機を開発した目的だ、と述べた。
「太陽エネルギーのみによって駆動される飛行機が燃料なしで昼夜を問わず飛行できたら、自動車や暖房器具、エアコン、コンピュータで同じことはできないと主張する人はいなくなるだろう」とPiccard氏は述べた。
2009年の第1回テスト飛行の後、2010年には、新型飛行機が36時間続けて飛行できるかどうかをテストする夜間飛行が予定されている。
Piccard氏とBorschberg氏は2012年には、次世代のSolar Impulseである「HB-SIB」に乗り込み、4〜6日間かけて5行程で世界1周飛行を試みる予定である。1990年に自身の「Orbiter 3」で初めて熱気球による世界1周飛行を達成した冒険家のPiccard氏にとって、2012年の計画はこれに続く世界旅行となる。
「われわれは、今回のプロジェクトを通して、開拓者精神と政治的ビジョンを組み合わせれば、社会を変え、化石燃料への依存に終止符を打つことができる、という自らの信念を表明したいと考えている」とPiccard氏は述べた。
Solar Impulseは、Qinetiqの「Zephyr」やNASAの「Helios」などに続く太陽電池駆動型飛行機となる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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