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日本発で始動「Mozilla Factory」のモノづくり--次世代の才能を伸長

別井貴志 (編集部)2012年05月25日 14時20分
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 Mozilla Japanが、日本発で「Mozilla Factory」という新しい取り組みを5月から本格開始した。

 ひっそりと5月18日に開設されたウェブサイトは日本語と英語で書かれており、「オープン×モノづくり=??」という文字が掲げられている。FacebookページTwitterも用意されているが、詳細はない。果たして、これはどんな取り組みなのか。

Mozilla Japanの代表理事である瀧田佐登子氏 Mozilla Japanの代表理事である瀧田佐登子氏

 Mozilla Japanの代表理事である瀧田佐登子氏は、「Mozillaはこれまでコミュニティや専門家とともにオープン性や革新性を追求する活動をしてきました。そこで培ってきたオープンな技術やプロセス、コミュニティを基盤にしたモノづくりのノウハウを、ブラウザなどのソフトウェアやインターネットだけではなく、ほかの分野へ活かしたり、次の世代へ伝えていくことで何かが生まれてくるのではないか、という構想で始まりました」とコンセプトを説明した。

 Mozilla Factoryは、「オープンに考える、作る、伝える」を軸にしたモノづくりを進めていく「場所」と位置づけられている。ここでいう“モノ”とは“物や者”などを指す。「モノというのはリアルなモノもあれば、バーチャルなモノもありますよね。モノという日本語はフレキシブルで人という意味もあります。私たちのモノづくりのノウハウをいろんな分野に活かしたいという気持ちと、それをこれからの若い世代の人たち、特に小学生や中学生、高校生たちに伝えたい、そういう場が欲しいと思ったのです」(瀧田氏)。

  • 「Mozilla Factory」の場としてのつながり

 具体的には、まず研究機関や企業、教育機関、NPO、自治体などから幅広くテーマを募りそれをプロジェクト化するか、参加者自身が実現したいというテーマをプロジェクト化する。そして各プロジェクトごとに、それを実現したい、自ら関わってみたいという参加者を募る。

 参加者は中高生を核として想定している「プレイヤー」、高校生から大学院生の世代を中心に想定している「チューター」、各方面で活躍しているプロフェッショナルが、プレイヤーやチューターとともに考え、アドバイザー的な立場でプロジェクトに携わる「メンター」として、プロジェクトを進めていく。

 たとえば、「実際に使う子供たち自身が使いたいと思うデジタル教科書を作る」というプロジェクトができたとすると、「ハードウェアのデザインをする人」、「情報を発信する人」、「中身(ソフトウェア)を作る人」など、わかりやすくカテゴライズしてプレイヤーやチューターとして子供たちに募集をかけて進めるといった具合だ。もちろん、プロジェクトごとにその期間や目的、進め方などは違ってくる。

 瀧田氏は、「今回のFactoryでは、なんでもあり。ただし、オープンということは絶対に軸にしようということだけを決めていて、やり方などは各プロジェクトに任せます。モノづくりのプロセスをオープンに公開していく中で、何ができるのか、ということをみんなで挑戦していってほしい」と語った。一見突き放した言い方だが、「確実に何らかの成果を出すことを求める」というわけではなく、何よりも「自主性」を大切にしているようだ。そのため、Factoryの目指すところは、「プロジェクトに参加して“考える”、“創造する”、“作る”、“伝える”、“教える”という体験を通して、人の才能や可能性を引き出し、伸ばせる場にしたい」(瀧田氏)というわけだ。プロセスを公開するツールやプロジェクトメンバー同士のコミュニケーションの方法、リアルでのミーティングなどもすべてプロジェクトのメンバーが決めていく。

 Factoryでは、プロジェクトに参加することで体験できることを6つ挙げている。

  1. design
  2. create
  3. think
  4. learn
  5. lead
  6. make&build
  • 6つの体験

 これについて、瀧田氏は「いろんな人とつきあうことで経験できるその枠組みにしたいと思っています。この6つの語尾に「er」をつけると――ひと味違ったデザイナー、クリエイター、メーカーになるという面では、オープンデザイナーだったり、オープンクリエイターだったり。この中で、オープンというモノが何なのか、『自分たちは普通のクリエイターとはちょっと違うぞ』というようなことが、参加者のインセンティブになればいいという気持ちを強く持っています」とした。

 各プロジェクトの成果について瀧田氏は、「最終的に形あるモノにはならないかもしれない。たとえば、デザインのアイデアだけで終わってしまうプロジェクトがあるかもしれない。しかし、私たちがオープンにすることで、たとえばそのデザインをベースにして企業がモノづくり(商品化)をしてもかまわないと思っています。もちろん、そうした場合のライセンスなどは今後定義していこうと考えていますが。いずれにせよ、Factoryという場を通じて、いろいろな体験や人とのコミュニケーションによりイノベーションの元ができればいいなと思っています」と述べ、漠然とある日本の閉塞感の打破や、新しいことに挑戦する次世代の人材へとつながることを望んでいた。

 こうした構想や背景から本格的な活動に入ったMozilla Factoryだが、新しいものづくりを体験できるカフェ「FabCafe」のCOOである川井敏昌氏や、東京大学ゆかりの女性博士7人で構成するヒューマンエンジニアリングサロン「CHORDxxCODE(コードxxコード)」など、すでにこの構想に賛同したメンターが多数いる。まずは、このメンターの中からプロジェクトが提案され、5月中には参加者の募集が開始される予定だ。

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