ソーシャルネットワーク大手FacebookのIPO引受会社らは、取引初日に同社の株価を高い水準に維持した功績が認められている。しかし、取引開始の前にその中のある銀行により、多大な注目を集めていたFacebookのIPOに対して水を差す行為があったという新しい報道が浮上している。
Reutersの報道によると、FacebookによるIPO前の数日間に、IPO引受主幹事を務めるMorgan Stanleyが主要な顧客に対し、Facebookの売上高予測を同行が引き下げることを伝えていたという。
大規模IPO直前になってのMorgan Stanleyによる予測修正は、一部の投資家らに大きな衝撃を与え、それが、Facebook株価の芳しくない値動きにつながった可能性があると、予測修正の通知を受けていた2人の投資家がReutersに語った。同行とともに主要幹事を務めたJPMorgan ChaseとGoldman Sachsも、IPOの前に売上高予測を修正していたと報じられている。
Facebook株は米国時間5月18日、42.05ドルで取引が開始されてからまもなく、株価が38ドルの公募価格にまで下落した。21日にはさらに急落し、一時は33ドルにまで下落したが、その後やや回復して34.03ドルで取引を終了し、IPO取引後初の全日取引となった同日の終値は11%の下落となった。
これらの売上高予測は、Facebookが米証券取引委員会(SEC)にS-1申請書の改訂版を提出した直後に示されたものである。同申請書では、多くのユーザーがモバイル端末へと移行していることによって、同社の広告収入に悪影響が及び、同社売上高の長期的な見通しが脅かされる可能性があることが強調されていた。
「投資家向け説明会の最中にそれが行われた。この10年間でそのような例は見たことがない」と、Morgan Stanleyからの通知を受けていたある投資信託会社の情報筋はReutersに語っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス