NASDAQの最高経営責任者(CEO)であるRobert Greifeld氏は米国時間5月20日、同取引所の技術設計に問題がありFacebookの新規株式公開(IPO)に影響を与えたことを認めた。
Greifeld氏はThe Wall Street Journalの取材で記者に対し、注目されていた5月18日のIPOに先だって実施したテストでは注文取り消しに関する問題を発見できなかったと述べた。同氏によると、NASDAQは問題を「厳粛に受け止めている」という。
同氏は、NASDAQの幹部が19日に事態を協議するために会合を開いたことに加え、「これはNASDAQの良からぬ時間であった」と述べた。
しかし同氏は、この不具合はFacebookの株価下落の原因ではないと主張した。株価は18日の取引開始時点では42.05ドルであったが、まもなく売り出し価格の38ドルに下落した。
New York Timesの取材記事によると、同氏は「合理的に考えると、この問題による株価への影響はなかったという結論になる」と述べたという。
Greifeld氏のコメントは、18日にIPOが30分遅れて開始した後、技術的な不具合によってトレーダーらが混乱した可能性があることを初めて公式に認めるものであった。トレーダーらは、太平洋時間午前4時30分から開始したFacebookの注文について変更や取り消しを確認できなかったと主張している。その後、一部のトレーダーは午前中に、取引が実際に成約したことを示す確認がNASDAQから送られてこなかったと述べた。
Fox Businessの5月20日の記事によると、怒ったトレーダーや投資家らが、この不具合による損失を補填するようNASDAQに要求しているという。同記事では、これらの要求は1億ドルにのぼる可能性があるが、NASDAQは損失補填を行わないとGreifeld氏が述べたと記している。
Facebookの18日の株価は38.23ドルで終了した。この価格は、始値の38ドルより23セント(0.61%)高い値だった。
Bloombergは18日、米証券取引委員会(SEC)はFacebookの株式取引に関しNASDAQの対応を精査するだろうと報道した。しかし同記事によると、SECはこのような精査を「定期的に」行っているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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