「Amazon Cloud Drive」は、5Gバイトが無料で利用できるオンラインストレージサービスだ。運営するのは日本のAmazon.co.jpではなく米Amazon.comだが、アカウントを取得すれば日本からでもアクセスできる。この分野では有名なDropbox、およびGoogle Driveの直接のライバルとなるサービスだ。
無料で利用できる容量は5Gバイトまでで、有料では最大1テラバイトまで拡張できる。ファイルのアップロードやダウンロードはブラウザから行えるほか、新たにリリースされたデスクトップ用ソフト「Amazon Cloud Drive Desktop Apps」を用いることで、タスクトレイにドラッグ&ドロップしてアップロードしたり、右クリックメニューからアップロードしたりすることも可能になる。
その一方、DropboxやGoogle Driveのようにローカルのフォルダを自動的に同期する機能は備えておらず、すべて手動でのアップロードとなる。また個々のファイルやフォルダの共有機能は備えないので、他の人との間でファイルをやりとりする用途には向かない。このほか、複数ファイルをまとめてダウンロードできない点もネックの一つと言える。
一般的なオンラインストレージに比べて機能がやや少なく見える理由は、もともとはドキュメントよりも音楽ファイルをクラウド上に保存して再生する機能に重きが置かれているからだ。
本サービスは同社が運営している音楽サービス「Amazon MP3」と密接に結びついており、クラウド上のMP3ファイルを「Kindle Fire」などさまざまなデバイスで聴けるのが特徴なのだが、残念ながらこの機能は日本では利用できず、専用再生ソフトの「Amazon Cloud Player」やAndroidアプリについても日本からはダウンロードできない。このような事情に加え、インターフェースがすべて英語であることから、競合サービスに比べるとわざわざ日本から利用する必然性は、お世辞にも高いとは言えないのが現状だ。
もっとも、有料プランについては容量あたりの単価がDropboxやGoogle Driveに比べて安価なほか、最大1Tバイトまでのプランが用意されていることもあり、大容量かつコストパフォーマンスを求める人にとっては選択肢の一つになりうる存在だ。音楽再生を中心とした豊富な機能、および安定性については海外でも定評があるだけに、将来的なローカライズや機能追加に期待したい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス